いよいよ来週末には凱旋門賞が開催されます。今年の日本馬3頭はそれぞれ現地で前哨戦を勝ち、私も楽しみにしています。
ただ、やはり本番はメンバーも頭数もペースも違いますし、地元の欧州勢も簡単に勝たせてはくれません。彼らは前哨戦で、日本馬がどれぐらい脚を使えるかをチェックしているように感じます。だから、わりとスムーズにレースをさせてくれるのかもしれません。
それが本番では一変します。純粋な力比べというより、つぶし合いになる印象です。たとえば同じ陣営が複数の馬を出走させて、ライバルを封じ込めようとしてきます。欧州のタフな馬場で馬群に閉じ込められると、気持ちが切れてしまうケースも多く見られます。
そのトライアルが今年から1週間繰り上がったと聞きました。私も調教師として2頭を凱旋門賞に挑戦させましたが、ヴィクトワールピサはニエル賞から、キセキはフォワ賞から、それぞれ中2週で本番へ向かいました。やはり欧州の芝で2400メートルを走った疲れは、すぐにとれるものではないと思います。
あの2頭も見た目には元気でしたが、思いのほか結果を出せませんでした。「このやり方が間違っていたのでは」と思ったぐらいです。中3週になっても大きくは変わらないかもしれませんが、プラスにはなるでしょう。フォワ賞を勝ったビザンチンドリームはエピファネイアの子ですし、頑張ってもらいたいです。
アロヒアリイの母エスポワールも、私の厩舎にいた馬でした。素質が高く、4歳で力をつけて「さあ、これから」という時に、近藤英子オーナーが「引退させます」とおっしゃったのには驚きました。「早く繁殖入りさせた方が、いい子を出してくれる」というお考えだったようで、まさに、その通りになりました。私もうれしかったですし、英子オーナーも喜んでおられました。
「タナパク」こと田中博康調教師は、彼が騎手時代から知っていますが、フランスへ修業に行って、名門のファーブル厩舎でも調教に乗っていました。開業する時に「フランスで勝たないとね」と声をかけたのを覚えています。アロヒアリイは日本で1勝馬の身でしたが「こういうタイプが合う」という自信があって遠征させたのでしょう。
もちろんクロワデュノールも応援します。願わくば「チーム・ジャパン」で一丸となって、今年こそ凱旋門賞を勝ってほしいです。
(次回は10月末)
■珠洲ホースパーク 復旧工事進む
角居氏が営む珠洲ホースパークでは、ようやく本格的な復旧工事が進められている。昨年1月の震災で倒壊した堆肥舎などを撤去して、新たに15馬房の厩舎が建てられる。さらに日本財団からの助成を受けて、場内に食堂つきのコミュニティー施設「鉢ケ崎みんなの憩いの場(仮称)」が建設され、来年5月の運営開始を目指す。角居氏は「いよいよ復興が始まった感じです。地元を離れた人も仕事がないと戻ってこられませんし、人を呼び込んで、雇用の場を増やせれば」と意気込んでいた。



