私の携わる珠洲ホースパークには、新しい仲間が加わりました。今回は馬ではなく人間2人なのですが、ともに私にとってはうれしい驚きでした。

1人目はJRAの栗東トレセンで働いていた藤野陽平君です。かつて藤原英昭厩舎でステファノスなどの活躍馬を担当していました。ウチの牧場には昨年に2~3週間ほど研修に来て、それから働いてくれることになりました。

もう1人は帯広畜産大の学生です。来年春から来てくれることが決まりました。いわゆる新卒を採用するのは初めてになります。今年の夏休みに“飛び込み”で「インターンをさせてください」とお願いされたのがきっかけでした。

2人ともJRAで働く選択肢もあった中、珠洲で働くことを選んでくれました。トレセンとは仕事、給与、福利厚生、すべてがまったく違います。たとえば住居にしても、今は震災の仮設住宅の空き部屋に住んでもらっています。もちろん社会的意義はありますし、いろんな可能性も秘めた業界ではありますが、こうして若い人たちが来てくれたのにはびっくりしました。

私が引退競走馬の支援に携わるようになって15年以上になりますが、昔では考えられなかったことです。世間の見方が少しずつ変わってきてくれているでのはないかと実感した出来事でした。

若いチャレンジャーだけではなく、たとえばトレセンを定年退職した人が来てくれたら、きっと経験を生かせる場になると思います。ウチの牧場以外にも、引退競走馬に関わる仕事はたくさんありますから、人材をうまくマッチングできればと考えています。

さらには、利益ばかりを追求するわけにはいかない一方で、この業界で働く人たちが金銭面でも評価されるようにもしなければなりません。私自身ももっと頑張らなければいけないとあらためて思わされました。