凱旋門賞が近づいて、刻一刻と変わる空模様が悩ましくなっています。

人気は変わらず“クールモア”のミニーホークと地元のアヴァンチュールが分けているようです。

3歳馬で勢いのあるミニーホークはまだ底を見せていない怖さがありますが、初のフランス遠征で、鞍上とも初コンビ。なにより牡馬一線級と初対戦となるだけに未知の部分を残しています。一方、昨年2着しているアヴァンチュールはコース経験、道悪実績もあって、晴雨どちらに転んでも上位に来る確率の高い馬と言えそうです。

アヴァンチュールは凱旋門賞馬のソレミアなど数々の活躍馬を送るヴェルトハイマー兄弟の生産・所有馬です。血統は父が凱旋門賞までG1を6連勝(通算9戦8勝)して全欧年度代表馬に輝いたシーザスターズ(父ケープクロス)、母バラデュース(父シングスピール)はG2ロワイヤリュー賞など仏2勝、アヴァンチュールの半姉のレフトハンド(父ドバウィ)は16年のヴェルメイユ賞の勝ち馬。近親にはG1高松宮記念を2度制して種牡馬として活躍したキンシャサノキセキ、G1リュパン賞など重賞5勝で、日本に種牡馬として輸入されたグルームダンサー、G1パリ大賞優勝で種牡馬のルネンジョン、G1ヴェルメイユ賞のインディアンローズ、G1ガネー賞など重賞3勝で種牡馬のヴェルタマンドなどがいます。同じファミリーには天皇賞・春と有馬記念を制したサクラローレルもいて、バラエティーに富んでいます。

シャンティイ調教場に厩舎を構えるクリストフ・ファーランド厩舎に入厩したアヴァンチュールは、2歳時に2戦1勝。昨年は6戦して2勝、2着3回。重賞のG3ロワイヨーモン賞(シャンティイ、芝2400メートル)とG2ポモヌ賞(ドーヴィル、芝2500メートル)に優勝、秋のヴェルメイユ賞はブルーストッキングの2着、続くG1凱旋門賞もブルーストッキングの軍門に下りました。凱旋門賞は乗り慣れたマキシム・ギュイヨン騎手がファーブル厩舎のソジー(4着)に騎乗したため、ステファン・パスキエ騎手での参戦でした。

今年は初戦となった4月のG3アレフランス賞(パリロンシャン、芝2000メートル)と5月のG2コリーダ賞(サンクルー、芝2100メートル)をともに1番人気で連勝。6月のG1サンクルー大賞(サンクルー、芝2400メートル)は、G1ジャパンC参戦がうわさされるカランダガン(セン4、父グレンイーグルス)に3馬身半差の2着(カランダガンは続くG1キングジョージ6世&クイーンエリザベスSも連勝)になりました。

仕切り直して向かった前走のG1ヴェルメイユ賞は直線で馬場の三分どころを突き抜けて優勝。ゴール前でギュイヨン騎手が手綱を緩める余裕を見せて、自身初のG1制覇を飾りました。

シーザスターズの産駒は、まだ凱旋門賞未勝利ですが、17年クロスオブスターズ、18年シーオブクラス、24年アヴァンチュールが、それぞれ2着しています。

同じくシーザスターズ産駒のソジーやダリズ、それにシーザスターズの娘の子供になるキジサナにも注意が必要かもしれません。(ターフライター奥野庸介)

※競走成績等は2025年10月3日現在