ドバイワールドCデー(25日、メイダン)に日本から遠征する各馬が8日、東西トレセンで追い切りを行った。ドバイシーマクラシック(G1、芝2410メートル)に出走する年度代表馬イクイノックス(牡4、木村)は美浦ウッドで6ハロン80秒8-ラスト11秒4をマークした。

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午前4時半、ナイター照明を浴びながら青鹿毛の馬体がはずんだ。出国検疫中のドバイ遠征馬用に、メイダン競馬場と同じ左回り仕様のウッドチップコース(午前7時からの通常時間帯は中山開催中のため右回り)。イクイノックスは直線でしっかりと手前を替え、力強い蹄音を夜明け前のトレセン内に響かせた。見守った木村師は「順調だな、という感じですね。有馬記念であれだけの走りを見せたので、その当時と比べるとバランスが崩れた部分がある。レースへ向けて、昨秋の天皇賞や有馬記念のときのような状態に持っていきたいと思います」と現在の状況を伝えた。

日本を代表する馬として挑む初の海外遠征。天皇賞で負かしたパンサラッサは1着賞金1000万ドル(約13億円)のサウジCを制し、一躍、世界から脚光を浴びている。欧州のブックメーカーは前売りオッズでイクイノックスに1番人気の評価を与えており、始動戦の結果次第では今後の世界情勢、今年の芝中距離のビッグレースの展望に大きな影響を与える一戦だ。「ファンを喜ばせたいという気持ちはもちろんありますし、年度代表馬として期待されていることもわかっています」と木村師。「天才」と称されたスターホースは着々と準備を進めていく。【木南友輔】