ウシュバテソーロ(牡6、高木)が、競馬史に残る偉業を達成した。

道中は最後方から運んで、4コーナーで大外を回って加速すると、直線で一気に末脚を伸ばして豪快に差し切った。

日本勢では11年ヴィクトワールピサ(当時の馬場はオールウエザー)以来、ダートでは初のドバイワールドC制覇。昨秋から急激に力をつけたオルフェーヴル産駒が、初の世界挑戦で頂点に立った。

初コンビで栄光をつかんだ鞍上の川田将雅騎手(37)は、快挙を成し遂げた相棒の首筋を左右の手で優しくなでて、激走をたたえた。普段はクールな男が、興奮を隠しきれないまま迎えた馬上でのインタビュー。「とても幸せです。彼を誇りに思います。ドバイのみなさんに感謝しています」と英語で話した後に「日本のみなさん、ありがとうございました」と日本語で絶叫。喜びを爆発させた。

昨年覇者で米国のカントリーグラマー、サウジCを逃げ切った日本の韋駄天(いだてん)パンサラッサら、強豪を退けての世界制覇。表彰式では、ドバイの夜空に君が代が響いた。「最高です。順調に調整できていました」と高木師も偉業をかみしめた。昨年10月から勝ち続け、年末の東京大賞典、年始の川崎記念も制覇。そして、ドバイワールドCも制して、どとうの5連勝。今後の夢は大きく広がった。

2着は英国のアルジールス(セン6、J・ドイル)、3着にはサウジアラビアのエンブレムロード(牡5、アル・ファライディ)。他の日本勢は4着テーオーケインズ、5着クラウンプライド、10着パンサラッサ、11着ジオグリフ、12着カフェファラオ、13着ヴェラアズール、15着ジュンライトボルト。