石川県輪島市で被災した角居勝彦元調教師(59)が2日、現状を伝えた。地震発生時は震度6強を観測した同市にある天理教の布教所に滞在していた。
「半端ない揺れ方でした。近くで何軒も家がつぶれました。今までに100回以上、余震で揺れています。このまま続けば、今まで我慢できている家も崩れてしまうのでは…」
自身は無事だったが、布教所では壁がはがれたり、ひびが入ったりする被害があり、前夜は恐怖もあって駐車場の車内で寝泊まりしたという。周辺では複数の家屋が倒壊。火災が発生した朝市通りにも近く、炎が見える距離だった。
「輪島は町並みが小さいのでつぶれた家屋が道をふさいでしまい、道路も(割れて)デコボコになっていますし、物資を陸路で運べていないと思います。街の人たちは(車での移動ができず)自転車や歩きで移動していますが、会話がなく、ぼうぜんとしているような感じです」
2日昼時点で周辺に電気は通っているものの、水道は止まったままだという。現在は冷蔵庫内の食料や、風呂にためてあった水などでしのいでいる。金沢市内にいる親族が車で物資を運ぼうとしたが、道路が通行できず、たどり着けていないという。ライフラインの復旧には「かなり時間がかかるのでは」とみていた。
同じく震度6強を観測した珠洲市で営む珠洲ホースパークでは、引退競走馬など6頭がけい養されている。しばらく現地へは行けそうにないが、スタッフと連絡をとり、厩舎の建物や柵などに被害があったものの「6頭とも問題なさそうです」と無事を確認。胸をなで下ろしていた。
◆角居勝彦(すみい・かつひこ)1964年(昭39)3月28日生まれ。石川県出身。競馬に縁のない家庭に育つも牧場勤務を経て86年に栗東トレセンで調教助手に。00年に調教師免許を取得して翌01年に厩舎開業。07年に牝馬ウオッカでダービーを制覇。11年にヴィクトワールピサでドバイワールドCを勝利。11~13年にリーディングを獲得。JRA通算762勝(重賞82勝)。G1はJRA26勝、海外5勝、地方7勝の計38勝。21年3月に引退してからは石川県で天理教の布教所を継ぐとともに、引退馬支援の活動を続けている。

