あの“ひとめぼれ”から23年後-。ビザンチンドリームを管理する坂口智康調教師(43)は、開業6年目で初のダービーに臨む。

「開業からなかなか思うように勝てないなかで、こんなに早くダービーに出られるなんて、あまり実感がわきません」

競馬一家で育った坂口少年の周りには、幼少期から馬がいた。父・正則元調教師を見て、自分も競馬の世界に入りたい。そう思っていた時、01年にダービーを勝ったジャングルポケットに目を奪われた。

「ジャングルポケットのダービーが一番印象に残っています。角田晃一騎手(現調教師)が好きだったこともありますが、ジャングルポケットってかっこいいなと。そのダービーはテレビで見ていましたが、DVDでも見返しましたね」

やはりダービーにはドラマがある。坂口師が送り出すビザンチンドリームの母父こそが、憧れたジャングルポケットだ。「特別な縁を感じますね。きれいな馬で、デビュー前から雰囲気があるなと思っていました。まだ幼いところもありますし、これからの馬ですが、能力はあります」と一発を狙っていた。

初めて生で見たダービーは、05年ディープインパクトが勝った時だった。父・正則元師の管理馬エイシンニーザン(7着)に帯同し、東京競馬場の地に立った。あれから19年。今回は調教師として、最高の舞台に参戦する。「不安や緊張よりも、楽しみの方が大きいです。ワクワクしています」。大きな期待を胸に、直前に迫ったゲートインを待つ。【藤本真育】