新潟の名物重賞に騎乗するのは意外にも今回が初めて-。「サマースプリントシリーズ」第3戦のアイビスサマーダッシュ(G3、芝直線1000メートル、8月3日=新潟)に、クリストフ・ルメール騎手(46)がピューロマジック(牝4、安田翔)とのコンビで初参戦する。
例年、この時期は札幌などで騎乗することが多く、新潟の「千直」自体も3年ぶり4回目というレア騎乗。他のコースとは一線を画す独特の舞台をどう攻略するか。名手を直撃した。
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約3週間の“夏休み”でリチャージ完了。復帰ウイークとなった先週のルメール騎手は、土日とも新潟で計11鞍騎乗して6勝2着2回3着1回と存在感を発揮した。休暇期間をどこで過ごしたかについては「シークレットです(笑い)」。詳細は伏せたものの、「家族でリフレッシュしました」と笑顔で明かした。
夏の新潟の名物重賞といえるアイビスSDではピューロマジックと初コンビを組む。日本を拠点として10年以上経つが、実は同レースで騎乗するのは今回が初めて。さらにいえば“新潟千直”自体の騎乗機会はこれまで3度しかなく、今回が3年ぶりとなる。
もっとも、直線レースの騎乗経験は欧州で豊富にある。「フランスなどでたくさん乗ったことがあります」。ラチ沿いに馬群が密集するだけに位置取りが重要と説き、だからこそ「スタートが大事」と力を込める。5ハロンの電撃戦だからといっても、最初から最後まで飛ばし続けようとしては息切れしてしまうとも強調。「レース中に1度息を入れることが必要。そうすれば、ラスト400メートルでまたギアを上げられます」と解説する。
名手が描く千直攻略法は、ピューロマジックの新スタイルとも合致する。前走のアルクオーツスプリント(ドバイG1)では出負けしながらも追い上げて5着。ダッシュを利かせて先手を奪ってきたこれまでとは異なる形で結果を出した。安田翔師は「逃げてはほしくない。(前走のように)馬の後ろに入れて脚をためるのを理解させるにはいいコースでは」。力任せに走るのではなく、激流の中で息を整えラストスパート。電光石火の一戦だからこそ必要な“息継ぎ”を、百戦錬磨の鞍上がサポートする。【奥岡幹浩】
◆ルメールと直線競馬 母国フランスでは各地で直線競馬が行われており、04年にはドーヴィル競馬場の2歳G1モルニ賞(芝直線1200メートル)をディヴァインプロポーションズで勝利。英国ではニューマーケット競馬場の直線1600メートルが舞台の2000ギニー(皐月賞に相当)、1000ギニー(桜花賞に相当)を勝った経験もある。

