最高の相棒とつかみ取った感動の初JRA・G1制覇だ-。道中2番手から運んだ三浦皇成騎手(35=鹿戸)騎乗のウインカーネリアン(牡8、鹿戸)が逃げ粘るジューンブレアに頭差で競り勝った。勝ち時計1分6秒9。8歳馬の勝利はウルトラファンタジー以来15年ぶり2頭目。「11番人気→7番人気→2番人気」の決着で3連単は100万円超えの大波乱となり、1番人気サトノレーヴは4着に終わった。
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ついに、ついに三浦皇成がやった。ゴール後は万感の思いを込めて何度もガッツポーズ。鹿戸師に「やったー!」と声を裏返らせた。挑むこと127回。G1の高い壁に跳ね返され続けてきた。開口一番「長かった」と本音がこぼれた。
苦楽をともにした相棒と最高の勲章をつかんだ。「この馬のことは自分が一番わかっている」。24回コンビを組み、全9勝を挙げるウインカーネリアンは4歳時に蹄葉炎(ていようえん)を患い、生死をさまよった。「僕もそういうケガを経験してきた。本当に相棒だと思っていたから勝ててうれしかった」。発表された枠は大外。それでも「最高だと思っていた」と与えられた試練を追い風に変えた。「スタッフがいい状態にしてくれた。あとは僕がやるだけ」と覚悟を決め、ゲートイン。好発を決め2番手から抜群の手応えで運び、たたき合いを制した。
逃げ粘る2着馬の背にまたがるのは「生きる伝説」武豊。名手が持つ新人騎手の年間最多勝記録を更新し、注目を集めたのが、デビューした08年だった。レース後、「豊さんの存在がなければ、自分がここまで盛り上げてもらえなかったと思う」と胸中を明かした。
「自分でも勝てないんじゃないかと…」と弱気になりかけたが、「諦めたら終わり。こんなにも自分を応援してくれる方がいる。なんとかその気持ちに応えなきゃいけない気持ちで」と、がむしゃらにつかみ取った。そんな男をファンは「皇成コール」で出迎えた。「いつもテレビで見ていた光景だな、と(笑い)。一番幸せな時間でした。実際、来てみると芯から震えるものがありました」と勝者の空間をかみしめていた。
感謝は尽きない。自身を起用し続けてくれた自厩舎とオーナーに「力を出せるのは僕だと信じてくれた」と述べた。そして家族にも-。11年にタレントのほしのあきと結婚し、話題になった。「身近に支えてもらってきた一番大事な存在。言葉では言い表せないくらいです」、そして、「子どももいますし、良い背中を見せたいと思っていた。これからも良いパフォーマンスをして、ファンがもっと増えるように、頑張っていければと思います」とメッセージ。G1ジョッキー・三浦皇成は、家族のため、競馬界のため、ファンのため、ステッキを振るう。【深田雄智】
◆ウインカーネリアン ▽父 スクリーンヒーロー▽母 コスモクリスタル(マイネルラヴ)▽牡8▽馬主 (株)ウイン▽調教師 鹿戸雄一(美浦)▽生産者 コスモヴューファーム(北海道新冠町)▽戦績 33戦9勝(うち海外3戦0勝)▽総獲得賞金 5億1973万6500円(同4974万4500円)▽主な勝ち鞍 22年関屋記念(G3)23年東京新聞杯(G3)▽馬名の由来 冠名+宝石名

