JRA坂井瑠星騎手(28=矢作)が、今年こその米ブリーダーズC制覇に挑戦する。BCクラシック(G1、ダート2000メートル、現地11月1日=デルマー)で騎乗する相棒はフォーエバーヤング(牡4、矢作)。昨年、3着に敗れた舞台で人馬待望の勝利に挑む。

日刊スポーツでは「世界へ瑠星 Off to the world」と題して、坂井騎手の世界挑戦を4回連載で追う。第2回は、世界で活躍する実業家で、フォーエバーヤングを所有する馬主・藤田晋オーナーへの感謝を語った。

   ◇   ◇   ◇

スケールの大きさに衝撃を受けた。今年、シンエンペラーで2度目の愛チャンピオンSに挑戦するため、アイルランドを訪れた時のことだ。世界各国で騎乗経験があり、いろんな競馬場や調教場を見てきた坂井騎手にとっても、エイダン・オブライエン厩舎の「バリードイル」(クールモアの私設調教場)にはいろんな驚きがあった。

「車を運転して行きましたが、衝撃的でしたね。施設、調教内容もそうですし(日本も含む他の施設との)あまりの違いに衝撃を受けました。トレセン何個分なんだよと思う敷地を1つの厩舎が持っていて、300頭くらい頭数もいるんですから。調教にも乗せていただいて、いい刺激になりました」

そんな体験をさせてくれたシンエンペラーは、フォーエバーヤングと同じ馬主・藤田晋氏の所有馬。オーナー自身も世界の第一線で活躍する実業家だ。3年ほど前に矢作師の紹介で食事をして、その縁で交流が始まった。これまで藤田オーナーの所有馬には12頭にまたがり、日本の他にアイルランド、フランス、アメリカ、サウジアラビア、ドバイと計6カ国の国際レースをともに戦ってきた。貴重な経験をたくさんさせてもらった恩人でもある。

「すごい人というのは分かってましたが、本当に競馬がお好きな方だなというのが第一印象です。あれだけの方なのにすごく気さくに話してくださいますし、冷静で淡々としている印象です。その藤田オーナーと矢作先生と一緒に世界で戦える。感謝していますし、結果を出したいです」

人とのつながりがあって、今の自分がいる。馬がつないでくれた縁があって、世界最高峰のレースに挑むことができる。業種は違えど、ともに世界の最前線を走るオーナーもジョッキーも、今回の目的はただ1つ。フォーエバーヤングの力を信じ、デルマーでダートの頂点を目指すのみだ。【藤本真育】

◆坂井瑠星(さかい・りゅうせい)1997年(平9)5月31日生まれ、東京都出身。16年3月に栗東・矢作厩舎所属で騎手デビュー。同4月2日阪神で初勝利。1年目は25勝を挙げ、中央競馬関西放送記者クラブ賞(関西所属騎手新人賞)を受賞。2年目は36勝と勝ち星を伸ばしながら秋にオーストラリアへ渡った。19年フィリーズレビュー(ノーワン)で重賞初制覇。22年秋華賞(スタニングローズ)でJRA・G1初制覇。今年のサウジC(フォーエバーヤング)で海外G1初制覇。先週26日京都で3年連続3回目のJRA年間100勝達成。JRA通算成績は5668戦616勝、重賞23勝(うちG1・6勝)。父は大井競馬の元騎手で現調教師の坂井英光師。