3月から調教師に転身する藤岡佑介騎手(39)が、28日土曜の阪神競馬でラストライドを迎える。先週時点でJRA1109勝。フェアに乗り、ファンとの交流も大切にしてきた名手が、最後の7鞍もクリーンに熱く、見せる。なお、阪神競馬場では最終レース終了後に引退式が行われる。

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ステッキを置く日が近づいてきた。26日木曜は出馬投票が行われ、騎乗馬が確定する日。「減量するのも最後やなぁと。周りからは『ケガすんなよ』と言われている」と藤岡佑騎手。心境は普段と変わらない。

騎手としてのキャリアをスタートさせたのは04年。JRAではG1・2勝を含む1109勝を積み重ねてきた。「この年までやっているとは思わなかった。大きいケガも少なかったし、よく乗せてもらって、よく勝たせてもらった」。堅実な努力と多くの支えがあったからこそ、自身の予想を超える活躍が待っていた。

馬を下りれば、ファンサービスも積極的に行ってきた。若い頃はファンサービス委員を担当。北海道や小倉などで行われる競馬場のツアーにも参加し、ファンとの交流を大切にしてきた。その理由には元騎手の福永祐一師の教えがあった。

「福永さんから『競馬は社会にとって、なくてもいいもの。その中で仕事をさせてもらって、特にJRAはファンの売り上げに支えられている。そこを意識して行動しないといけない』と教えてもらった。直接的なファンとの交流や、メディアを通しての発信は自分なりにやってきたし、立場が変わっても続けていきたい」

その誠実さは騎乗スタイルにも表れ、フェアプレー賞を6度獲得。ラストデーも安全な騎乗を心がける。ラストライドとなる土曜阪神には7頭がスタンバイ。10Rタマモイカロスは父・健一師の管理馬で「スピードがありそう。このコースでスムーズにいければ」とイメージを伝えた。ターフを駆ける最後の姿をしっかりと見届けたい。【下村琴葉】

<藤岡佑介騎手・今週の騎乗馬>

土曜・阪神

1Rジュディーイメル

4Rアンリミテッド

8Rウエヲムイテゴラン

9Rスピードリッチ

10Rタマモイカロス

11Rハピ

12Rダノンキラウェア