スタミナ自慢がそろう阪神大賞典(G2、芝3000メートル、22日、1着馬に天皇賞・春優先出走権)に、メンバー唯一の牝馬アクアヴァーナル(牝5、四位)が出走する。送り出すのは、騎手時代に牝馬ウオッカでダービーを制した経験を持つ四位洋文調教師(53)。牡馬に負けない強いメンタルを武器に重賞初制覇を目指す。
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牡馬が有利とされる長距離戦。00年以降の芝3000メートル以上のJRA平地重賞を見ると、牝馬はホーエリート(25年ステイヤーズS)の1勝のみと苦戦を強いられている。今回、そんな高い壁に挑む存在がアクアヴァーナルだ。
前走の万葉Sは、格上挑戦で斤量52キロの恩恵もあったとはいえ、好位から抜け出す快勝。その前走を含め今回と同じ芝3000メートルでは2戦2連対と強さを発揮する。四位師も「スタミナがあるよね。折り合い面でも心配がないのがいい」と長距離適性に太鼓判を押す。
牝馬らしからぬ精神面も魅力だ。指揮官は「女の子はカリカリしている子が多いけど、彼女の場合はたくましい。牝馬にしては珍しい」と目を細める。年齢を重ねてメンタルが洗練され、オンとオフの切り替えができるように成長したことも大きい。加えて肉体面の強化も著しく、23年7月のデビュー時に438キロだった馬体重は、前走時で472キロに。安定したカイ食いのおかげで、月日とともにパワーが増している。
中間も好気配で、18日の最終追いはCウッド6ハロン82秒5-11秒2の好時計。軽快な動きで先行、先着を果たした。「(前走を)勝った後、予定通りにきている。反応もいつも通りいい」と力が出せる態勢だ。
トレーナーは騎手時代に07年ダービーをウオッカで勝利。牝馬によるダービー制覇は64年ぶりの快挙だった。「相手は牡馬で強いけど、楽しみがあるね」。大舞台で牡馬を負かした経験を持つ師が、今度は愛馬アクアヴァーナルの快挙を後押しする。【原田竣矢】
◆初の牝馬Vへ 阪神大賞典の開催時期が3月になった87年以降で、牝馬は延べ17頭が出走してまだ勝利がない。93年タケノベルベットと15年デニムアンドルビーの2着が最高となっている。アクアヴァーナルが初制覇を果たすか。ちなみに、同馬を送り出す四位師は、騎手時代の09年に菊花賞馬アサクサキングスで制覇している。

