今日ぐらいは巨人が意地を見せてくれると信じていたが…。負けたら終わってしまう大一番で、プロとして恥ずかしい試合だった。

嫌な予感はした。2回2死一、二塁、フルカウントから小林がワンバウンドのスライダーを空振り三振。状況を考えてほしい。走者がスタートを切ってくる状況で、ヒットなら先取点が入る。そして次は9番の投手。相手バッテリーは四球で満塁にはしたくないが、慎重に攻めてくる場面だった。せめて低めの変化球は見逃そうとか、四球を選んで次の回で1番から始まるように食らいつこうとか、そういう考えはなかったのか? 大きく泳いで空振りする姿を見て、情けなくなった。

直後のイニングだった。先頭打者が二塁打。ここからけん制球で様子をみるとか、相手がどんな作戦をするか、観察している様子もなかった。せめて進塁打を打ちにくい外角直球やボール球で様子をみてほしかったが、小林はカーブのような遅い変化球を要求。普通に打っても引っ掛けて進塁打になる116キロの変化球は、一塁線を破ってタイムリー。打席でも何も考えていないのだから、配球も考えていないだろうと感じた予感は的中した。

ここまでひどいと、ベンチにも責任がある。基本的な教育を怠っていたとしか思えないし、大事な場面ではベンチから指示を出さなければいけない。負ければ終わってしまうCSファイナルで、エースとストッパーが登板せずに終戦するような戦いぶり。今試合ならいい投手から順番に継投させてよかった。戦う前のプランニングの時点で、最良の選択ができていなかった。「必然の完敗」だった。(日刊スポーツ評論家)