阪神はここにきて3位に浮上するチャンスが見えてきたね。打線がつながって点を取れるようになってきたのが大きいよ。

8月に入って出場機会が増えてきたのは高山だ。同じ外野手の糸井離脱も重なり、それほど数字は上がってきたわけではないが、ずいぶん内容が良くなった。

バッティングのコツというのは「タイミング」と「ポイント」にある。今まではバットが外回りしている印象が強く、打つポイントが定まっていなかった。

高山に成長を感じるのは、ボールを引きつけながら打つポイントが良くなってきたことだ。際どいボールをカットできるし、きちっとセンター方向を中心に打てるようになったね。

4回。高山が1ボールから中越えの逆転二塁打を放ったのは、好球必打を地でいく働きだった。さらに続いたのは8番梅野の2点二塁打だ。下位打線からも点を取ることができるようになったのは期待が持てる。

また、この試合で目立ったのは、左に、右にと3本のヒットを打ち分けた福留だ。うまく相手ピッチャーの力を利用しての芸当は、ベテランの成せる業ということだ。

それに目立ってはいないが、3回の三塁手大山の併殺プレーは見逃せなかったね。1点リードされ、なおも1死一、三塁。バレンティンの三ゴロを処理し、三-二-一のゲッツーでしのいだ。

大山は打球に向かっていって、いいバウンドでグラブを差し出し、うまく処理したから、二塁送球も正確だった。あのワンプレーがヤクルトの流れを止めたよね。当たり前のように見えるが、このような堅い守備の徹底も残りシーズンを戦い抜くには大事になってくる。(日刊スポーツ評論家)