勝つには勝ったが、このゲームでスアレスまでつぎ込まざるを得ない展開になったのは誤算だった。5-0の9回に馬場が2安打と四球で1死満塁のピンチを招いてしまってはスアレスに託すしかなかった。

前半戦の最終となる9連戦のスタートで5点リードだからスアレスは休ませたかった。しかし、馬場は不安定な投球で降板を強いられた。セーブがつくシチュエーションで、対戦する打者がサンタナだから守護神投入も仕方がない。

9回1死満塁からサンタナの中犠飛で1点を返されたが逃げ切った。しかしベンチとしては、こういった投手起用が後々、岩崎、スアレスの疲労蓄積、リリーフ陣の“ひずみ”につながっていくから避けたかったところだ。

先発青柳は相変わらずの安定感だった。ヤクルトとの相性の良さもあるだろうが、低めの動くボールがさえた。相手からすると対青柳はリズムを変えるのが最低条件だが、ヤクルトは攻略の糸口を見つけることができなかったようだ。

優勝争いのヤマ場がくるのはもっと先のことだ。ただチームにとって首位で折り返すかどうかは気分的にも違ってくる。大山が当たりをみせたのは明るい材料。それぞれが与えられたポジションで役割を果たしながら9連戦を勝ちきりたい。(日刊スポーツ評論家)

ヤクルト対阪神 9回途中で降板する馬場皐輔(左から2人目)(撮影・上田博志)
ヤクルト対阪神 9回途中で降板する馬場皐輔(左から2人目)(撮影・上田博志)