阪神対広島 7回裏阪神2死満塁、空振り三振に倒れる糸井(撮影・上田博志)
阪神対広島 7回裏阪神2死満塁、空振り三振に倒れる糸井(撮影・上田博志)

-阪神が巨人に勝ち越した後、広島にカード負け越しを決められた。チームは乗り切れない状況だ。

大石 阪神が優勝するには、下位チームにしっかりと勝ち数を稼ぐことが条件といえる。来週末に控えるヤクルトとの直接対決を待たず、ここでとりこぼしたのは痛い。この広島戦は秋山、青柳のチームを引っ張ってきた先発で勝てず、打線も主軸が湿っている。追いかける展開だったが、8回は勝ちパターンのリリーフをつぎ込むのも手だった。またそういう時期にきている。

-阪神ベンチは8回2死から小川が坂倉に左前打を許すと、岩貞にスイッチを決断する。だが林に四球で2死一、二塁、代打松山に左前適時打を許した。続く8番大盛にも暴投が絡んだ後の2死二、三塁から、しぶとく一、二塁間を破られる2点打で突き放された。

大石 1点リードされているとはいえ、中盤以降の阪神はずっと押し気味だった。勝ちか、引き分けに持ち込む可能性があったから、8回は“頭”から岩崎をつぎ込んでいってもよかった。もちろんひっくり返る保証はない。でも残り試合を考えれば、ヤクルトがDeNAに敗れていただけに、それも勝負手だった。

-打線も前夜が0点、この日は6、7回の満塁機に得点できず2点止まり。広島の5連勝をアシストした。

大石 特に主軸のマルテ、大山、サンズは、打席内で引っ張る気持ちが強すぎる。外国人だから調子が良いときは本塁打を欲しがるのはわかる。でも詰まった打球をみていると、その気持ちが空回りしているようだ。基本に立ち返って積極的にセンター返しの打撃を心掛けてみるべきだ。7回のマルテの中前打も狙って打っているわけではなかった。ストレートをセンター返しする意識でいけば、甘い変化球がきたとしても、おのずと引っ張れる。「つなぐ」。そこに戻ってみてはどうだろうか。【取材・構成=寺尾博和編集委員】

阪神対広島 9回裏阪神2死、見逃し三振に倒れるマルテ(撮影・上田博志)
阪神対広島 9回裏阪神2死、見逃し三振に倒れるマルテ(撮影・上田博志)