これぞ、エースの投げ合いだ。見ていて楽しい、いい試合だった。そして対照的なピッチングで決着はついた。山本は8回途中に降板するまで11安打を許し、そのうち単打は9本。西武はチームとして、単打を集めて山本を攻略しようという狙いが感じられた。
8回、先頭の外崎が2-1から内角真っすぐをうまく腕をたたみ、詰まりながら左前に運んだ。一瞬の反応は体に染み付いたもの。打球は詰まり、山本の球威が勝っていたが、それでもしぶとくヒットにしたことで、山本にはボディーブローのように効いたはず。
ここから中村、マキノンと連続中前打で同点に追い付き、2番手宇田川から児玉が決勝打を放ち、試合を決めた。見ていて、強引にならない西武打線のバッティングにチームとしての戦略を感じた。
この日の山本は真っすぐがわずかにキレを欠き、西武打線はその真っすぐに的を絞っていた。フォーク、カーブはともに素晴らしく、付け入るスキを真っすぐに見いだし、強振せず単打を念頭に置いたコンパクトなバッティングは、山本にはかなりこたえたように見えた。
一方の西武先発高橋も、見事なピッチングだった。4回、杉本に左翼へ完璧に2ランを運ばれたが、そこからの粘りが素晴らしかった。5安打を許しているが、そのうち3本が長打。杉本の1発で、ややオリックス打線には1発で仕留めようという気負いがあったかもしれない。
オリックス打線の力みに対し高橋は粘り強く投げ、6回以降はパーフェクト。無四球も光り、最後まで崩れなかった高橋がエース対決を制した。試合は西武が逆転で白星をものにしたが、両エースの投げ合い、継投のタイミング、両チーム打線の狙いの違いなど、最後まで見応えある試合だった。
この日の西武打線対山本の勝負を見ていると、他球団が山本をどう攻略していくかのヒントになったと感じる。非常に興味深い対決だった。(日刊スポーツ評論家)




