「超積極的旋風」と表現すると大げさだろうか。3月に入り、阪神2軍キャンプスタート組が続々と1軍に昇格して、結果を出し始めている。27歳緒方を皮切りに移籍1年目の31歳山崎、28歳伊藤隼、29歳荒木…。彼らの躍動を目にする度、31歳榎田が2月に明かしてくれた言葉を思い出す。

 「矢野(2軍)監督も、結果を残せば推薦すると言ってくれている。チャンスはあると信じています。やってやるぞ、という気持ちだけですよ!」-。

 2月中旬、3日間だけ2軍高知キャンプを取材する機会に恵まれた。気になっていたのは中堅組の「熱量」。若虎が沖縄で華やかに火花を散らす中、モチベーションが落ちてしまっているのでは…。そんな記者の勝手な杞憂(きゆう)は一瞬で吹き飛ばされた。中堅組は皆、驚くほど生き生きとした表情で猛練習していた。その胸中を代弁してくれたのが榎田だったのだ。

 1軍ではもちろんのこと、ファームでも矢野2軍監督が掲げたテーマ「超積極的」のもと、前向きで限りなく公平に近い競争社会が作り上げられている。18年猛虎の底力アップをヒシヒシと感じる、今日この頃だ。【阪神担当 佐井陽介】