貪欲に「枠」を狙う。オリックスの高卒2年目左腕、宮城大弥投手(19)が、開幕ローテーション入りを目指して奮闘している。

昨季は11月6日の日本ハム戦(京セラドーム大阪)で12球団の高卒1年目では唯一のプロ初勝利をマークした。「真っすぐが決まれば1軍でも通じると感じた。ただ、真っすぐを生かさないと変化球を振ってくれないので、磨いていきたい」。2年目の今季は「新人王」を目標に掲げ、挑戦の1年になる。「先発として1軍に定着したいです。けがなく定着できたら、自然と狙える位置にいけると思う。できれば開幕から上にずっと居たい」。

プロ生活を1年経験してすっかり大人らしくなってきた。「普段から先輩方には優しくしていただいてます。張奕さんに初先発するときに『最初は誰でも緊張するから、頑張れよ』と言ってもらって、少しリラックスできたのを覚えています」。そんな素朴な19歳は、今ではドラフト1位の山下舜平大投手(18=福岡大大濠)に慕われるなど「先輩」となってきた。

変化を求めた。新球種のフォークに着手し、投球プレートを踏む位置も変更。「一塁側を踏んでいたんですが、左打者の内角に投げにくさがあった。今は左打者には三塁側を踏んでいる」。今オフに酒井メンタルコーチから教わった「投球術」で「まさか投げる前の動作からプレーが始まっているとは考えたことがなかったので、勉強になりました」と驚き、それを素直に次の行動に移した。

新しい発見は、成長へのヒント。山本、山岡、田嶋の「先発3本柱」を脅かす存在になる可能性は、十分にある。【オリックス担当 真柴健】