<日本生命セ・パ交流戦:阪神2-10ソフトバンク>◇5日◇甲子園

今年の阪神は強いぞ、と思わせる4日の初戦の戦いぶりだった。ソフトバンクは完敗し、得意なはずの交流戦で4連敗。2戦目も3回にマルテの先制2ランが飛び出し、追いかける展開。8度の交流戦Vを誇るホークスが「王者の風格」を失いかけていたのだが、思わぬところから「風向き」が変わった。

1つのミスが致命傷、いやホークスにとっては再生のきっかけとなった。5回裏、先頭近本が内野安打で出塁。北條が送って、1死二塁でマルテを迎えた。阪神にとっては中押しの絶好機。ホークスにとっては絶対に踏ん張らなければならない場面だった。先制弾を放っているマルテに対し、直球で1ストライクを取った後、二塁走者の近本が飛び出し挟殺された(記録は盗塁死)。

ソフトバンク先発のマルティネスのクセを盗んで三盗を狙ったのだろうか。阪神にとっては何としても欲しい追加点だろうが、得点圏で中軸を迎え、何を焦る? 必要があるのだろうか…。不思議に思っていたら、直後にホークスが逆転。やはりプロの世界では1つのミスは命取りなのだ。逆転を機に計10得点。終わってみれば、大勝した。

7回からは3投手が無安打無失点リレー。投打に息を吹き返した。「流れ」とか「運」とか、科学的には証明できないが、1つのプレーから好転の兆しをつかんだことは確かだ。

チームにとって6月初勝利。さあ、ツキも変えようではないか。【ソフトバンク担当 佐竹英治】

阪神対ソフトバンク 6回表、真砂の左中間への二塁打で一塁から一気に生還する柳田(撮影・清水貴仁)
阪神対ソフトバンク 6回表、真砂の左中間への二塁打で一塁から一気に生還する柳田(撮影・清水貴仁)