熱投野球論

腕振れない吉田輝 支えないチーム 寂しい/西本聖

<オリックス12-8日本ハム>◇27日◇京セラドーム大阪

プロ入り2年目の日本ハム吉田輝星投手が、今季2度目の先発で1回1/3を4失点。前回の登板では力みもあり、制球が定まらなかったが、2度目の先発でどういうピッチングを見せてくれるか楽しみにしていた。しかし上積みどころか、今後の活躍が心配になるような内容だった。

オリックス対日本ハム 2回途中で降板する日本ハム先発の吉田輝(撮影・佐藤翔太)
オリックス対日本ハム 2回途中で降板する日本ハム先発の吉田輝(撮影・佐藤翔太)

とにかく、腕が強く振れていない。細かく解説するのなら、手首を利かせて投げられないから、球にスピンがかからない。だから手元で「ピッ」と伸びる直球が投げられない。

おそらくスピンの利いた直球を投げようとすると、引っ掛けたり、すっぽ抜けたりするのだろう。制球が悪かった前回の反省からなのか、たまたま今日の調子が悪かったからなのかは分からないが、この状態では1軍で勝つのは難しい。

修正するにせよ、思い切って腕を振ったフォームの中で修正しないと意味がない。投球練習を見たわけではないが、ストライクゾーンに投げられればいいと思っているのかもしれない。実戦を想定し、思い切って腕を振る。思うような直球が投げられないのなら、そこで修正する。ブルペンでの投球を大事にし、1球1球を必死で投げる。そうやって自分のフォームを作っていかなければ、いつまでたっても良くならないと断言できる。

吉田輝本人に問題があるのかもしれないが、チーム全体にバックアップしてやろうという雰囲気も感じなかった。

立ち上がりは外角の直球ばかり。9球も続け、打たれ出してから苦し紛れの変化球。直球が良くないなら、最初から変化球を交ぜるとか、内角を突くとか、考えようはあったはず。これだけ偏った配球になるのは、将来を見越してベンチから直球主体でいくように指示を出したのかもしれない。しかしそれなら降板が早すぎる。

捕手の清水は盗塁され、送球していればアウトにできたかもしれないタイミングで、投げもしなかった。握り損ねたのかもしれないが、配球と同様に、何とか後輩を助けてやろうという心意気も伝わらなかった。吉田輝だけでなく、チーム全体として必死さを感じなかった。寂しい試合だった。(日刊スポーツ評論家)

 ◆西本聖(にしもと・たかし)1956年(昭31)6月27日生まれ、愛媛県出身。松山商から74年ドラフト外で巨人入り。2年目に1軍入りを果たすと77年に8勝を挙げ、80年からは6年連続で2桁勝利をマークするなど巨人の主力投手として活躍した。81年に沢村賞。中日に移籍した89年には20勝を挙げ最多勝。その後オリックスでもプレー。最後は94年、巨人で現役引退した。通算504試合に登板し165勝128敗17セーブ、防御率3・20。引退後は阪神、ロッテ、オリックス、韓国ハンファで投手コーチを務めた。16年から日刊スポーツ評論家に復帰。

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