高原のねごと

“花形”井上真樹夫さん訃報で思い出した真弓の移籍

声優の井上真樹夫さんが11月29日、狭心症悪化のため死去していたことが分かりました。80歳。日刊スポーツで訃報に接した私が唐突に思い出したのは真弓明信氏(日刊スポーツ評論家)のことでした。

クラウンライターから移籍した、左から竹之内雅史、竹田和史、若菜嘉晴、真弓明信は阪神・小津正次郎球団社長(中央)とともに会見(1978年撮影)
クラウンライターから移籍した、左から竹之内雅史、竹田和史、若菜嘉晴、真弓明信は阪神・小津正次郎球団社長(中央)とともに会見(1978年撮影)

「ジョー」の愛称で阪神選手として活躍、監督も務めた真弓氏は福岡県の出身です。地元のプロ球団だったクラウンから阪神にトレード移籍が決まったとき、阪神についての知識はまったくなかったと聞いたことがあります。

そんな真弓氏だけに78年の秋季キャンプ中にトレードを知らされたときに、もっとも最初に頭に思い浮かんだのはこういうことだったといいます。

「阪神か-。花形満やないか」。

説明するまでもありませんが花形満(はながた・みつる)は、アニメ「巨人の星」で主人公・星飛雄馬のライバルとなる阪神のスター選手でした。

モデルになっているのはミスタータイガースの村山実さんということも一部では知られる話です。

そして花形満役の声優として有名なのが井上さんでした。「ルパン三世」の石川五ェ門も有名でしたが、子ども心に「巨人の星」に見入っていたこちらとしては花形の印象も強い。

花形満役をやった声優は他にもいますが、やはり真弓氏も私も“ど真ん中ストレート”は井上さんだったと思います。

あの花形満がこの世を去ったのか-。そんな感慨にとらわれたのです。

「巨人の星」でもっとも好きなキャラクターが花形でした。横浜育ち、財閥の息子ですが何をやっても、人並み以上にできてしまうので面白くなく、不良になっていたことも。そこで知り合った星飛雄馬のせいもあって阪神に入った…。

何より同作品に登場するキャラクターの中で、最高にイケメンだったのがよかった。あの髪形はどうなっているんだろう、と思ったりもしました。とにかくそんなイケメンな選手が他でもない阪神に入ったというのが、大阪の子どもだったこちらには深く刺さったことを覚えています。

現役時代の真弓氏もチームきってのイケメンとして知られました。さて現在の阪神にそんな選手はいるだろうか。そう思うと、これがなかなか難しい…。

実力、実績とともに見た目もカッコいい。そんなスター=花形が出てこないかな、などと考えています。

井上さんのご冥福をお祈りします。

取材生活30年を超える古だぬき記者。吉本興業から宝塚歌劇団、あるいはヤバい人たちの取材から始まり、プロ野球ではイチロー日本一(96年)星野阪神V(03年)緒方広島連覇(17年)などの瞬間に立ち会った。日刊スポーツ大阪本社編集委員。

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