紅葉川(東東京)の右腕・小山紀洋投手(3年)が、目黒戦でノーヒットノーランを達成した。奪三振9、内野ゴロ6、内野フライ2、外野フライ9、四球1の内容。四球の走者も盗塁死で封じており、打者27人で終わらせた。ふうっと大きく息を吐いてから対峙(たいじ)した最後の打者を中飛に打ち取ると、グラブをたたきながら整列へ急いだ。

 この日は制球重視でクイックを主体の投球。長いリーチを生かし、目黒打線に高め速球を振らせていった。力みがちな小山の性格を察し、主将の青木進弥捕手(3年)は無安打投球に最後まで触れず。「枠に投げ込んでこい、とそれだけ言っていました」と共同作業の成功を喜んだ。

 田河清司監督(60)も「今世紀最高のピッチング」と賛辞を贈った。入学後に右ひじを手術。2年春まで約1年、トレーニングに専念していた。田河監督は小山の苦労を振り返り「入学してから今を考えれば別人。別人28号です」と笑いながら、偉業をたたえていた。