八戸工が10-6で五所川原商を下し、14年ぶりのベスト4に進出した。5-6で迎えた8回裏に同点とし、なおも無死一、三塁で4番舘悠人三塁手(2年)が左翼席に決勝の3ランをたたき込んだ。夏の北奥羽予選で3度、青森大会で1度決勝進出の古豪が、公立校で唯一4強に食い込んだ。舘はこれが高校初のホームラン。1、2打席目はいずれも2死二塁の好機に凡退していた。「打ったのは真ん中高めのストレート。4番の役割を果たせていなかったので『今度こそ』と思った」と声を弾ませた。

五所川原商に3回、3点の先制を許し、追いついてもすぐに勝ち越される苦しい試合だった。上山正徳監督(50)は「8回に逆転しても、1点差だったら厳しかった。舘の3ランが大きかった」とたたえた。

八戸工は68年の記念大会決勝で太田幸司投手を擁する三沢(69年甲子園準優勝)に敗れるなど、91年まで計4度、あと1歩で甲子園を逃した。秋の大会久々の準決勝進出に、舘は「次も自分の役割を果たして東北大会に行きたい」と意気込んだ。【北村宏平】