ニューフェースのスーパー1年生が登場した。愛工大名電(愛知)の1年生左腕・田村俊介投手が16日、愛知県内の愛工大名電グラウンドで行われた星稜(石川)との練習試合に先発。

今秋ドラフト1位候補の奥川恭伸投手(3年)と投げ合い、7回4安打5奪三振で無失点。打線も星稜から4点を奪い、4-1で勝利した。奥川は6回8安打12奪三振2失点だった。

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15歳左腕がたじろぐことなく強豪にぶつかった。「(奥川に)投げ勝ってやろうと飛ばした」。

130キロ台の直球にフォークなど多彩な変化球を交ぜ、思い切りの良い投球。今春のセンバツに出場した星稜レギュラー陣を4回まで2安打に抑え、5番・山瀬慎之助捕手(3年)からは2打席連続見逃し三振を奪った。「いい投球ができた」。今秋ドラフト1位候補・奥川に投げ勝ってみせた。

中学時代には軟式で最速140キロをマーク。高知高・森木大智投手(1年)とともに話題を呼んだ。硬式でも自己最速は140キロで、この日の最速は137キロ。「森木たちの方がすごい。自分はそのすごい投手に近づけられたら」と投球とは逆に控えめに笑う。

早くも夏の県大会では背番号「1」が内定。倉野光生監督(60)は「ゲームを作れる。工藤(公康=現ソフトバンク監督)も1年夏は1番じゃなかったと思う」と期待を寄せる。「1番は驚いた。持っているものを出したい」。強豪相手に大仕事をやってのけた新星が、激戦区・愛知を勝ち抜く原動力になる。

◆田村俊介(たむら・しゅんすけ)2003年(平15)8月25日生まれ。京都府舞鶴市出身。小学校入学前から野球を始め、中舞鶴小では共楽少年野球クラブに所属し、投手。明徳中(高知)では野球部に所属し、投手兼内野手。中3の2学期に地元京都の和田中に転校した。愛工大名電では1年春からベンチ入り。176センチ、88キロ。左投げ左打ち。