3年連続14回目の選抜出場を決めた智弁和歌山(和歌山)は、甲子園歴代最多68勝を挙げた同校の高嶋仁名誉監督(73)の孫、高嶋奨哉内野手(1年)が「3代甲子園出場」を狙う。朗報が届くと「絶対ベンチ入りを果たしたい。甲子園は小さい頃からの憧れです。試合に出るのをずっと目標にしていた」と意気込んだ。

幼い頃から、甲子園に寄り添って生きてきた。祖父は名将で3度全国優勝。父茂雄さん(44)も夏に2度甲子園に出場した。祖父に「甲子園はいろんなことが起こる。最高のパフォーマンスができる場所。神様がいてる」と教わった。思い出がある。「憧れの先輩の西川遥輝さん。あのときからずっと甲子園に行かせてもらっていた」。いつも甲子園で智弁を応援。選手宿舎で、のちに日本ハム入りする西川と記念写真を撮った記憶は、いまも鮮明だ。

昨年の秋季近畿大会で公式戦初先発。2安打でアピールし、選抜の出場メンバーを争う。「やっと自分も行ける権利、そういう立場になった」と気合十分だ。「3代甲子園」は高校球史でもレアケース。高嶋名誉監督も「多分、6例目やと思う。甲子園に行きたくて智弁に来た。甲子園の土を踏んでほしい」とエールを送る。白球の夢は、歳月を超えて続く。【酒井俊作】

◆高嶋奨哉(たかしま・しょうや)2003年(平15)12月19日、和歌山・紀の川市生まれ。奈良・二上小2年から「二上スポーツ少年団」で野球を始めて小学4年で和歌山県に転校。「根来ファイターズ」に所属し、6年時は阪神タイガースジュニアでもプレーした。岩出第二中では「粉河シニア」に所属し、おもに三塁手だった。好きな選手は広島鈴木誠也。173センチ、74キロ。右投げ右打ち。家族は父母姉。