新潟明訓が東京学館新潟に2-1で逆転勝ち。0-1の7回2死満塁で、代打・長谷川隼人(2年)が起死回生の2点適時左前打を放ち、秋は13年以来、7年ぶりに決勝進出。加茂暁星は関根学園に4-2の逆転勝ち。0-1の2回無死一塁で、斎藤大優(1年)が逆転の2点本塁打を放ち、春夏秋を通じ、初の決勝に駒を進めた。両校は10月10日から行われる北信越大会(富山)出場が決定。決勝は23日に三条パール金属スタジアムで行われる。

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チームを勝利へ、大きく軌道修正したのが1年生のバットだった。0-1で迎えた2回無死一塁。5番斎藤のバットがうなった。カウント2-2からの内角直球をフルスイング。逆転2ランを左翼へたたき込んだ。「初球バントのサインを出したが、打たせた方がいいと、直感で切り替えた」と話した高橋諒監督(26)のインスピレーションもズバリ当たった逆転弾だった。

「追い込まれていたから、ノーステップで振り抜いたら入った」。そうこともなげに話した斎藤は184センチ、85キロと恵まれた体格からパワーをさく裂させた。3回にも2死三塁の場面で右前適時打を放ち、チーム4得点のうち3打点を稼いだ。試合後の控室では、先輩の越智勇太郎(2年)から「(斎藤)大優のおかげ」と声をかけられた。

加茂暁星は過去、どうしても4強の壁を破れなかった。16年夏、18年春、昨秋はすべて準決勝敗退。そんな状況を、怖いもの知らずの1年生・斎藤が打ち破った。「5番に座らせてもらつているから、ボクが打たないとチームは上に行けないと思っていた」。初優勝への道も自分のバットで切り開く。【涌井幹雄】