<全国高校野球選手権:京都国際1-0前橋育英>◇19日◇2回戦

県大会ノーシードからたどり着いた聖地で、前橋育英らしい伝統の守備を見せた。雨のため第2試合が順延となり、イレギュラーな形で始まった第3試合。シートノックは行われず、ファウルゾーンでのサイドノックでグラウンドの状況を確認。井上陽太(ひなた)内野手(3年)は「球足が速い」と感じていた。

先制を許した直後、守備で流れを変えた。2回無死一塁、打者はバントの構えで初球ボール。2球目で、二塁手の井上はチャージで一気に前へ。しかしバスターに変わった瞬間、1歩下がった。飛んできた打球をリズムよく捕球し、併殺。「自分たちは守備で粘って攻撃につなげるスタイル。何としても自分が守備で貢献するんだ、という気持ちだった」と話した。

春の県大会3回戦で太田に7回コールド負け。それから、各ポジションごとにミーティングを重ねてきた。特に、内野陣は「<1>球際の強さ <2>併殺をとる <3>ホームで刺す」の3カ条を徹底。井上は、フリー打撃の際に守備につき1歩目や球際を意識して磨いてきた。その執念を見せ、荒井直樹監督(57)は「2回の併殺が、これがうちの野球ができたかなと思います」。敗戦の中でも、光るプレーだった。【保坂恭子】

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