10年ぶり2度目の出場が決まった豊川(愛知)は、両親がロシア出身でプロも注目する左のスラッガー、モイセエフ・ニキータ外野手(2年)が打線をけん引する。昨秋の愛知県大会は準優勝、東海大会では優勝。強豪ひしめく東海地区で躍進した。モイセエフは「うれしい気持ちが一番に来て、その中でもやらないといけない状況に置かれた。成長した自分を見せれるように、練習してきた」と責任感と自信をにじませた。明治神宮大会を終えてからウエートなどで鍛え、体重は3キロ増えて自己最重量の85キロ。自身初の聖地に向けて着々と準備を進めている。

センバツから新基準の低反発バットが導入される。「芯で捉えれば、それほど飛距離は変わらない。芯で捉えるのが大切。その技術を身につけたい」。豊川入学後からさらに芯の狭い木製バットで練習を続けており、高校通算14本塁打のモイセエフは新バットを恐れていない。中日の編成担当者は「彼は左の大型外野手でウチにはいないタイプ。興味はある」とし、今秋のドラフト注目選手の1人に挙げる。

愛知・刈谷市生まれ。小学生3年までは黒帯の父セルゲイさん(47)の勧めで空手も野球と並行して学んできた。現在はロシア国籍で、日本国籍の取得を申請中。「高校卒業してプロを目指したい」。ユーラシア大陸生まれの両親から譲り受けた素質を初の甲子園で開放させる。【伊東大介】

◆モイセエフ・ニキータ 2006年(平18)11月29日生まれ、愛知県刈谷市出身。阿久比町立東部小4年時に東海ボーイズで野球を始め、阿久比中では愛知衣浦シニアでプレー。高校1年秋から外野レギュラー。目標とする選手はソフトバンク柳田悠岐。181センチ、85キロ。左投げ左打ち。両親と兄、弟2人。

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