緒方カープがオープン戦初白星を挙げた。先発黒田から始まり、6投手が無失点でバトンをつないだ。緒方孝市監督(46)は黒田の投球を絶賛。つないだ投手陣も褒めたたえた上で、野手陣の元気のなさを指摘した。10日からの3連戦は本格的にメンバーを絞り込む作業が始まる。指揮官は激しい争いを期待し「生命力のある選手」を求めた。
黒田に引っ張られて、新生カープが勝ちどきを上げた。その光景に、緒方監督は鳥肌が立っていた。黒田の日本球界復帰初登板。それもオープン戦では異例の2万2942人の大観衆が集まっていた。ふと思い出す。8年前、ともに現役選手としてチームを支えていた時のことを。そして何度もうなずいた。
「あの頃のイメージより、1回りも。いやいや、1回りどころじゃないな。2回りも大きくなった姿だった。彼はアメリカでどれだけの経験を積んで来たんだろうと。あらためてそう思わされる投球だった」
3試合目でのオープン戦初勝利。ファンをようやく喜ばせることができた。黒田がパーフェクト投球で渡したバトンは、救援5投手がつないだ。許したのは1安打だけ。四球も1つだけで、付け入るスキさえ与えなかった0封リレー。「黒田がつないだ流れのなかで、やっぱり他の投手も流れに乗って投げきってくれた」と、ここでもパーフェクト投球を披露した黒田効果を実感していた。
だが、目を細めたのもつかの間だった。打線は6安打1得点に終わり、これでオープン戦3試合で計6得点。守備でも期待を寄せる上本が2失策するなど、若手野手の元気のなさが目立つ。昨季の反省から菊池、丸以外の得点源を作りたい指揮官にとっても、寂しい結果だった。
「10日からの阪神との2試合、12日の(西武との)練習試合。この3試合は、はっきり言って若手に線を引く試合。どんな内容、結果を見せてくれるか楽しみに。生命力のある選手が残るでしょう、最後は」
黒田の姿を見て何を感じたか。そんなメッセージも込められているのだろう。1球、1プレーを必死に。緒方カープはあらゆる相乗効果を生みながら、24年ぶりのVロードを走っていく。オープン戦初勝利で、満面の笑みを出してなどいられない。【池本泰尚】




