日本ハム大谷翔平投手(20)が、粘りの投球で開幕2連勝を飾った。オリックス2回戦に先発し、7回6安打2失点で今季2勝目を挙げた。1回に2点を失ったものの、変化球を効果的に使って立ち直り、結果的に11三振を奪った。最速も159キロをマーク。チームは前身の東映が62年に記録して以来となる、53年ぶりの開幕3カード連続勝ち越しで、単独首位に浮上した。

 ベンチ前で行うキャッチボールの手を止めた。視線の先で打球が転がった。大谷は両手を突き上げた。1点を追う7回、味方打線から届いた3点のプレゼント。「最初バタバタしてしまったけど、粘って投げられた」。初回に失点したものの、終わってみれば7回6安打2失点。辛抱して試合をつくったことで、勝利をたぐり寄せた。

 大乱調の前触れに、必死にあらがった。大谷にとっては今季初のデーゲーム。「体が浮ついていた」。最速159キロを記録した直球も引っかけが目立ち、修正しようとすると真ん中に集まった。1回は糸井の四球を挟み、平野恵、中島、T-岡田に、すべてストレートをとらえられ3連打。1イニングで32球を要した。不安な立ち上がりだった。

 だが、高い修正能力が実を結ぶ。きっかけは110キロ台の緩いカーブ。しっかりと腕を振らなければいけない球種のため、自然と投球フォームがまとまってくる。相乗効果で直球の制球も安定。7回、粘る伊藤から奪った11個目の三振は、11球すべてがストライク。1回とはまったくの別人だった。

 “新球”も披露した。4回1死二塁のピンチ。伊藤、ヘルマンを、それぞれ138、139キロの高速スライダーで連続三振に仕留めた。「力を入れました。握りは変わってないですけど」。通常のスライダーは120キロ台後半。球速が上がり、鋭く曲がる変化球に、相手打線は面食らった。

 苦い記憶がある。昨年10月11日。大谷はこの日と同じマウンドにいた。CS開幕投手を託され、期待に背いた。打線の援護に救われたが、序盤に連続押し出し四球で先制を許すなど、不本意な内容。「CS打たれて悔しい思いをしてる。何とか勝ちたいなと思った」。超高校級と騒がれた花巻東時代も、甲子園では1勝もできなかった。「僕、大事な試合に弱いんですよ」と、関係者に自虐的に話したこともあるというが、同じ舞台で鬱憤(うっぷん)を晴らす白星になった。

 チームは単独首位に浮上した。「次は打席の中で頑張って、チームに貢献できればいいです」。開幕2連勝を喜ぶ暇もなく、早くも打者の顔になっていた。【本間翼】

 ▼日本ハム大谷はこれでオリックスに通算4戦4勝。カード別通算勝敗は

 オリックス:4勝0敗、西武:3勝0敗、楽天:3勝1敗、ソフトバンク2勝2敗、ロッテ:0勝1敗、セ・リーグ4勝0敗

(セ・リーグは、阪神、広島、中日、DeNAに各1勝)

 得意のオリックス戦は延べ114人と対戦して本塁打を1本も許していない。