仙台のファンの皆さん、これが15年のイーグルスです! 楽天が、今季の本拠地初勝利をサヨナラで決めた。延長10回裏、1死満塁から3番岡島豪郎外野手(25)が左翼にサヨナラ犠飛。前日から続くゼロ行進にも集中を切らさず、昨季を含めて本拠地では11試合ぶりの勝利を勝ち取った。先発と救援が完璧に抑え、野手が走って守る。最後は無安打でも、しぶとく決勝点をもぎ取った。

 ようやく、仙台で笑えた。10回裏1死満塁の大チャンス。勝負どころとみた楽天岡島は、極限まで集中力を高めた。「最高の投球をした投手陣のために、何とかしたかった」。初球を捉えた打球が、レフト方向に高く上がる。タッチアップには十分な飛距離。思わず「阿部さん、頼む!」と祈った。ソフトバンク塚田の捕球と同時に、三塁走者の阿部がスタート。クロスプレーの末に球審はセーフを告げた。グラウンドに飛び出す選手と大歓声。気温3度のコボスタは、瞬く間にサヨナラ勝ちの熱気に包まれた。

 今季の本拠地初勝利を劇的に決めた。試合後、大久保監督の目はうっすら赤くなっていた。「高村も平石も永池も、コーチみんなが泣くからグッときたよ」と感情を込めた。本拠地勝利は昨年9月20日以来。10戦連続で勝ちから見放されていた。前日7日も10安打を放ちながら延長12回のスコアレスドロー。延長10回に点を挙げるまで、22イニング連続で無得点だった。「選手が必死にやっているのに勝たせられず、コーチたちも追い込まれていた」。誰もが焦りと戦っていた。苦しみの末につかんだ1勝に、自然と胸が震えた。

 目指す野球を貫いた結果だ。決勝点は無安打で奪った。先頭の阿部が四球を選び、代打牧田が犠打。直後の敬遠2つで満塁とした後の犠飛だった。打線は3安打でも、2度の盗塁を成功させてチャンスを拡大。開幕からの12盗塁と成功率10割は、いずれもパ・リーグ1位だ。今年のテーマに掲げる「超機動力野球」で勝利し、寒空の中集まった2万1639人を喜ばせた。大久保監督は「全員が何とか点を取ろうと集中していた。きっと打ってくれると思っていた」とたたえた。最後まで諦めずに戦い抜く。これが15年の楽天野球だ。【松本岳志】