ホークスが福岡に移転してから、初めて味わう屈辱だった。スコアボードに得点が刻めない。ゼロが33イニングも並んだ。87年9月以来となる3戦連続の無得点。チーム名は「南海」の時代だ。12球団屈指の強力打線が、深刻な打撃不振に陥った。「何かを1つ狂わされてしまうと、すぐには立ち直れなくなる。日本シリーズでもそうだったが、投手の立場から、それは理解している。そういう投球をされると、的が絞れなくなる」。工藤公康監督(51)は冷静に現実を受け止めた。
ダイエー時代の99年。日本シリーズ初戦で中日の1番関川を完璧に抑え、相手打線の動きを止めた経験がある。西武郭俊麟に続き、楽天2連戦でも塩見、美馬の先発陣が最高の投球を見せた。歯車が狂うと、容易には戻せない。もちろん低迷打破に動いた。本多、今宮の二遊間をスタメンから外し、明石、高田を起用。「気分転換だ」と指揮官は流れを変えようとした。終盤の9、10回には次々と代走や代打を送り、1点を狙った。ベンチに残ったのは、金子圭と細山田だけ。それでも本塁は遠かった。
2番手の左腕飯田は制球を乱したが、最後までマウンドを託した。今季初のサヨナラ負けにも、工藤監督の考えに揺るぎはなかった。「いろいろ考えはあるだろうが、信頼して出すのが僕の役割。使った僕が悪いが、これからも信頼して投手を出してあげたい」。重苦しい雰囲気のままで、チームは福岡に戻る。まだ慌てる時期ではない。指揮官は選手を信頼し、苦境に向き合う。【田口真一郎】
▼ソフトバンクは5日●0-4西武、7日△0-0楽天に続いて3試合連続無得点。チームの3試合連続無得点は南海時代の87年9月7日●0-7日本ハム、8日△0-0西武、9日●0-1西武以来28年ぶり。



