巨人はサヨナラ負けを喫するも、新たな原石を発掘した。昨オフに中日から戦力外を受けた吉川大幾内野手(22)だ。今季初スタメンで、同点打を含む4打数2安打1打点と奮闘し、存在感を示した。前日30日の橋本、立岡に続き、若手が躍動した。
移籍後初安打は、球界を代表する則本から放った。3回1死。力のある内角高めの直球をたたいた。右中間を破る三塁打。自主トレをともにし、尊敬する松井稼のもとへ飛んでいった。「稼頭央さんは僕の師匠で、巨人での初安打が、そこにいって良かった」と笑みがこぼれた。1点ビハインドの8回無死二塁では左中間への適時二塁打。則本にダメージを与えた。
どん底からはい上がり、この晴れ舞台で暴れた。22歳にして戦力外となり巨人に拾ってもらった。「感謝しかないです」。その気持ちは今でも変わっていない。入団が決まった日から野球以外の気持ちは全て捨てた。名古屋から東京に移る際に1人暮らしを勧められたが、ジャイアンツ寮への入寮を決めた。門限など自由の少ない道をあえて選択。「野球をするために東京に来た」と並々ならぬ覚悟だった。オフの松井稼との自主トレでは、練習が終われば1時間かけ、ジャイアンツ球場に行き、練習。終わればまた都内に戻り、体を鍛え抜いた。
努力が実り5月20日に1軍昇格。師匠が待つ仙台行きの切符を手にした。29日の試合後に松井稼と食事し現状を報告。その2日後に、マルチ安打を放った。原監督は「初スタメンの中で自分らしさを出してしっかり戦えたことが大きい」と称賛した。田口、立岡といった「野性味」が次から次へと出てくる。スローガンにふさわしい22歳が巨人に加わった。【細江純平】



