球団初のキューバ人投手、巨人エクトル・メンドーサ(21)がベールを脱いだ。5回まで完璧に抑えた田口麗斗投手(19)に代わり、1点差でマウンドに。「この日を待ちわびて、神様、巨人軍に感謝してます」。過酷なデビュー戦で投げた25球が、負けられないチームの勢いを加速させた。

 最初の打者は4番カラバイヨ。深呼吸して投げた第1球こそ直球が抜けたが、持ち前の強気の投球を貫いた。直球で押し、スライダーで遊ゴロ。身長190センチ、体重80キロの細身の体を目いっぱい使い、腕を振り続けた。2イニングで無安打2奪三振。異国の地での初マウンドをパーフェクトで締めくくった。

 昨年、20歳の若さで母国キューバから来日した。いまだに日本語は「オハヨウゴザイマス・アリガトウゴザイマス」とあいさつ程度で戸惑うことばかり。寮では部屋にこもることが多く、当初はホームシックにかかった。母国の家族とのテレビ電話が、唯一の楽しみだった。

 そんな右腕の戸惑いも、今季は薄らいでいる。寮での食事も、食べられるかは口にしてから判断していた。大好きになった「豚肉」は、定番メニューになった。キューバで豚肉は高級品だっただけに、野菜炒めの中の豚肉だけを食べるほどの好物になっている。

 7月にはキューバの代表戦で約1カ月チームを離れるが、新戦力としてインパクトは十分。「両親に電話で報告します。これからも巨人軍の勝利に貢献できるようにしたい」。寂しさを紛らわすテレビ電話が、うれしい報告をする電話に変わった。【細江純平】