巨人が「リ・スタート打線」でリーグ戦に臨む。プロ野球は19日、リーグ戦が再開する。セ首位の巨人は東京ドームに中日を迎え、リーグ4連覇へ地固めを進めていく。原辰徳監督(56)はスタメンを公表。一塁に再転向する阿部、下半身の故障が回復した村田を組み込んだ重厚なオーダーを「リ・スタート打線」と命名した。チーム打率2割3分8厘はリーグ5位。貧打をリセットし、本来の打ち勝つスタイルを取り戻す。

 今季67試合目、リーグ戦再開のタイミングで、最も重厚な打線が組める。フリー打撃を吟味した原監督は「1番に長野を。2番は井端…」と、けれん味なくスタメンを明かしていった。「5番一塁」に阿部。6番には下半身の肉離れが癒えた村田。中軸からジグザグの迫力ある並びに「この流れ、この風景。一番、安定している」と納得した。

 報道陣からの「命名を」という問いかけも自然に受け入れることができた。「待ったなし、しっかりせぇ打線」と言ってすぐ、「ダメだな。チャンピオンチームが、へりくだる必要はない」と自ら却下した。取材の輪と討論の末「リ・スタート打線。しっくりくる」と命名権を行使した。「このままでいいとは、誰も思っていない。『0打数0安打から』の意識を持って。リセットして、1打席目から勝負だ」。投手陣が支えてくれた首位の座を、新打線で固める。

 もどかしい日々とおさらばする。豪快に相手を打ち砕く野球が、昨年来、影を潜めてきた。原監督は折を見て「つつましやか打線」「水鉄砲打線」「絶不調打線」と自虐的に呼び、尻をたたいてきた。交流戦でもパの力に苦戦。「スリリング、ではダメ。3分の1は大勝し、3分の1は敵が勝つ。残り3分の1を接戦に持ち込んで、勝つ」の勝負哲学を実践できず、折り返し点が見えてきた。

 「リ・スタート打線」でロングスパートをかける。全員の足並みが上げ潮でそろう。首痛が回復した阿部はフリー打撃で高速ライナーを連発。無駄な動作を省いた雄大なフォロースルーを見届けた監督は「いい。シンプルで、捉えてから躍動感がある」と認めた。「(村田)修一も、いい報告が上がってきている。長野も」と、ファーム戦で最終調整した実力者も準備OKを強調した。「チーム打率、個の打率を意識させる。2分、3分と上げていく」と勇ましく結んだ。助走期間は終わった。大勝続きで「3分の1理論」を証明し、混戦を抜け出す。【宮下敬至】

 ◆打線の愛称 古くは1リーグ時代の阪神「ダイナマイト打線」や60年代の大毎「ミサイル打線」が有名。89年から90年代初頭のオリックスは「ブルーサンダー打線」。90年代後半の横浜は「マシンガン打線」。日本ハムの「ビッグバン打線」や近鉄の「いてまえ打線」も浸透した。00年巨人は仁志、清水、松井、清原、高橋由、江藤、マルティネスら強打者を並べ、西暦2000年のミレニアム(千年紀)から「ミレニアム打線」と呼ばれた。

 ◆今季の巨人打線 ここまで66試合で54通りの打線を組んだ(9番投手を除く)。1番打者を7人(金城、橋本、長野、坂本、立岡、大田、松本哲)が務めるなど、なかなか固定できない。最も多い重複でも4試合で、開幕1、2、4、5試合目の<1>坂本<2>井端<3>長野<4>阿部<5>村田<6>高橋由<7>亀井<8>小林。3日連続で同じオーダーはまだない。