西武が秋山なら、ソフトバンクは柳田だ。首位打者を争う柳田悠岐外野手(26)が1回の先制V打を含む2安打を放った。打率を3割7分7厘として、同い年の西武秋山をぴったりマーク。こちらも球宴のファン投票で初選出。加速度的に知名度を上げる外野手が勝利に導き、今季最多の貯金17。2位に4ゲーム差とまた差を広げた。

 疾走感あふれる先制攻撃。その中心が、柳田だった。初球安打に初球犠打。1、2番が2球で1死二塁のチャンスを作ると、楽天辛島の高めに浮いたスライダー、1ボールからのファーストストライクを中前にはじき返した。「2球で作ってもらったチャンスですからね。勢いに乗って、積極的に行きました」。ここから内川、李大浩のクリーンアップ3連打で相手左腕をのみ込んだ。6番松田まで合計9球で3得点。鮮やかな速攻で一気に試合の主導権を握った。

 リーグ戦再開後、6勝1敗の7試合で、初回の得点は4度目。工藤監督の理想は「初回に一挙6点」。それを実現させるため上位3番まで機動力を使える選手を並べ、勝負強い4~6番で走者を一掃する。その肝が柳田だ。外角球でもオーバーフェンスさせるパワーを持ち、選球眼もいい。相手投手が初回から神経をすり減らす。四球で歩けば、4番に内川が待つ。この日の初回も理想的だった。同監督は「先発投手の立ち上がりはコントロールだったり、確認事項が多い。いかにそこをついて主導権を握れるか。『最初から行こうぜ』というみんなの思いがないと難しい」と振り返った。

 柳田にとっては、ファンへの御礼の決勝打になった。この日、2年連続での球宴出場が決まった。ファン投票による選出は自身初。48万1399票は西武森に次ぐ全体2位の得票だった。「たくさんのファンの方に選んでいただいて感謝しています。地元の友だちがたくさん来てくれると思うので素直にうれしいです」。2戦目は故郷広島のマツダスタジアムが舞台。豪快なフルスイングでスター街道をひた走る男が、球宴でも主役の座をつかみそうだ。

 貯金は17に膨らみ、2位西武に4ゲーム差。柳田を中心とした、積極果敢な強力打線の勢いは止まらない。【田口真一郎】