ドメ&ゴメのアーチショーだ。8回、目の前で福留が勝ち越しソロを放つと負けじと阪神4番マウロ・ゴメス内野手(30)も左翼へ8号ソロで続いた。先制適時打も放ち、4番の勝負強さが戻ってきた。甲子園の連勝は8に伸びた。勝利を呼ぶG砲の放物線を、今日も聖地が待っている。

 レフト筒香が1歩も動かなかった。一振りでDeNAの息の根を止めた。前打者福留が勝ち越しソロ。興奮冷めやらぬ聖地の声援が主砲ゴメスの一撃で二重三重に膨らんだ。まさに4番の仕事。2者連続となる追撃ソロでシーソーゲームの行方を決めた。

 「打席の中で甘い球を常に打とうという意識でいる。今日はそれができたね。ファウルで粘ってラッキーなことにホームランになってくれたよ」

 マウンドには、代わったばかりの3番手エレラ。甲子園がお祭り騒ぎの中、ゴメスは1人落ち着いていた。絶好球を待つ-。そのミッションに集中していた。カウント2-2とされ、そこから3球連続ファウル。8球目の低めに落ちるフォークを冷静に見逃し、迎えた9球目。待ち望んだ甘い球がついに来た。ど真ん中に抜けた130キロのカーブをジャストミート。雄たけびをあげながらダイヤモンドを回り、ベンチ前で今成とおきまりのポーズ。8号ソロに4番のプライドが詰まっていた。

 交流戦終了後まで自身の調子はいっこうに上向かなかった。ファンからは厳しい声も聞かれ、球団も新助っ人のペレスを獲得するなど、確立した4番の座も決して安泰とは言えなくなっていた。しかしゴメスは直接のライバルになるペレスの加入に「同じチームメートだし、チームの力になってくれるといいね。自分も少しでもペレスの力になってあげられれば」と、1人の仲間として出迎えた。

 それでも結果を残さなければいけない世界なのは知っている。19日のペレス加入後、5試合で19打数8安打の打率4割2分1厘。2本塁打に8打点と大暴れ。そうやすやすとこの座を奪われるものか。猛虎の主砲としての意地がそこにはあった。

 初回には、チームを勢いづける先制の適時二塁打も放った。「やっぱりみんながベストを尽くそうと頑張っていると思う。その中で自分としては打席の中で出来ることを積みあげたいね」。ゴメスで始まりゴメスで終わる。打点41はチームトップながらリーグではまだ3位。昨季打点王の巻き返しが、混セを抜け出すエネルギー源になる。【梶本長之】