借金ターン、3位転落ターンの悔しさは後半戦に必ず晴らしてみせる。虎は前半戦最終戦に敗れ、首位での折り返しを逃したが、過去例のない混戦セ・リーグを制する糧にするはずだ。

 消化不良のまま前半戦の戦いが終わってしまった。乗り切れない猛虎を象徴するような敗戦に4万2000人を超える観衆はため息の連続だった。

 和田監督 特に(初回のバント)失敗やな。点を取る、取らないではなくて、やるべきことができなかったことで流れを持ってくることができなかった。

 打線は広島の新人右腕薮田の前にあと1本が出なかった。指揮官が指摘したのは初回無死一塁から俊介が送りバントを失敗した場面。2ストライクからバスターに切り替えたが、遊撃正面への併殺と裏目に出た。荒れ球の薮田を攻めて3回に満塁、4回も満塁、5回には一、三塁と3イニング連続でビッグチャンスをつくったが、ゴメスが見逃し三振(3回)、鳥谷が左飛(4回)、上本が三振(5回)とすべて150キロを超える速球にやられた。相手の思惑通り、4回まで「0」を並べられてしまった。試合後、鳥谷は「勝てるに越したことはないですが(敗戦は)返ってこない。後半戦勝てるよう頑張ります」と厳しい表情で言った。

 投手陣も大黒柱メッセンジャーを中4日で先発させたが、6回1失点で降板させた。7回からは今季初登板となる左腕加藤をマウンドへ。だが、先頭に四球を与えると、これをきっかけに安藤が痛恨の2点目を許した。

 和田監督 (加藤を)いかせる理由というか…。ブルペンで見ているし、状態がいいということなんで。あそこで抑えられないと仕事にならんから。加藤は。これからもそういうところで投げていく投手だから。

 左の1番手である高宮を温存し、ブルペンで状態の良かった加藤に託したが、その後、福原、呉昇桓もつぎ込んだだけに2失点目が痛かった。打つ手が裏目に出た指揮官は、渋い表情で振り返った。

 この敗戦で首位と0・5ゲーム差ながら3位に転落、借金で折り返すことが決まった。借金ターンは就任1年目の12年以来のことだ。それでも指揮官はこれまで通りの姿勢を強調した。

 和田監督 前半戦は苦しい中、みんなが必死になって何とか踏みとどまってきたんで。後半戦もこういう戦いが続くと思う。何とか混戦の中、踏みとどまって、どこかのチャンスで抜け出せるようにね。

 開幕から「我慢」の2文字を繰り返してきた指揮官だが、オールスター前の締めくくりも我慢を強いられることになってしまった。【鈴木忠平】

 ▼阪神が広島の4投手による継投にかわされ、今季9度目の完封負け。広島の10度に続き、セ・リーグのワースト2位の多さとなった。前半戦最終戦が完封負けは、09年ヤクルト戦で喫して以来。