陽岱鋼が打てば、レアードも打つ。日本ハムが1発攻勢で逆転勝ちを収めた。楽天24回戦の1点を追う7回、先頭の陽岱鋼外野手(28)が3号同点ソロ。2死後にブランドン・レアード内野手(27)が勝ち越しの21号ソロを放った。2人のアベックアーチは通算3度目で勝率は10割だ。仲良しコンビの競演でチームは今季の楽天戦勝ち越しと、3カード連続の勝ち越しを決めた。

 異国で奮闘する2人の絆が、仙台の夜空にアーチとして結実した。1点を追う7回。先陣を切ったのは陽岱鋼だ。攻略に苦しんだ楽天川井から同点3号ソロを右翼席へ。「欲を出さないよう、謙虚に逆方向へ、チェンジアップをしっかりバットに乗せて運べた」。外角へ逃げていく球を、きっちりとらえた一打は、18試合ぶりの放物線。チームをよみがえらせた1発に、助っ人も発奮した。

 続いたのはレアードだ。2死無走者の場面で、同じく逆方向へ大きな花火を打ち上げた。「(打球が)ちょっと低かったから、柵越えするか分からなかったけど良かったね」。弾丸ライナーは右中間スタンドへ飛び込んだ。決勝の21号ソロ。感謝するように、一塁側ベンチで出迎える選手らの最後方に陣取った陽岱鋼とハイタッチした。

 「縁起のいいバットだから、折らないように大事に使ってるんだ」。後半戦、打撃好調のレアードを支える「幸運のバット」がある。前月24日の西武戦前。ゴールドを基調に、芯の部分は赤く色塗られたバットを手にした。陽岱鋼が打撃練習で愛用するマスコットバットだった。「何かを変えたくてね。振った感触が良かったんだ」。その試合前まで打率1割8分5厘と低迷。わらをもつかむ気持ちで「1本、くれないか」と、懇願したのが快進撃の始まりだった。

 試合前練習で使用すると、その日は2本塁打を含む3安打3打点と大当たり。不振で悩んでいたのがウソのように、安打を量産する日々が始まった。前月24日以降の21試合で打率3割2分5厘で6本塁打21打点と爆発。「打席でも自信を持ってやれている」と、頼もしさが増した。

 最高のプレゼントをくれた陽岱鋼とは今季3度目のアベック弾。マスコットバットとともに受け取った言葉は「オレとお前が打ったら勝つから」。3戦すべて勝利と不敗神話も築きつつある2人の活躍で、チームは3カード連続の勝ち越しと楽天戦の今季勝ち越しも決定。9・5差のソフトバンク追撃へ、心を通い合わせるコンビが打ちまくる。【木下大輔】