潜在能力が爆発した。広島鈴木誠也内野手(21)が強肩&強打を発揮だ。守っては3回に右翼から三塁へ、ピンチ拡大を防ぐ「鬼肩」を披露。打っても5回に3点目を奪って阪神能見をKOする適時打を放った。“一日一善”の若武者が、その能力をいかんなく発揮。3連勝で借金を4まで減らし、再進撃の合図をならした。

 打って守って-。これが誰もがほれる鈴木誠のポテンシャルだ。まずは守備。3回1死一塁で、一塁走者は能見だった。2番大和が放った打球はバウンドして一塁新井の頭上を越えた。鈴木誠は素早く回り込んでライン際で処理すると、三塁進塁を狙った能見を強肩で刺した。能見のその後の投球にも影響があったであろう、まさしく「鬼肩」だった。

 「おっつけてくるだろうと考えていました。走者が投手だったので、捕った瞬間いけると思った。あとは高めに抜けないことと、それないこと。練習でやってきたことができました」

 打っても「3番右翼」での起用に応えた。5回1死一、三塁。初球のチェンジアップを左前に運び3点目を奪った。1、2打席目は凡退もしっかりと修正。「自分のスイングが出来た。浮いてきたところをとらえられた」。この一打で、試合前まで5戦1勝4敗、対戦防御率1・69と苦手としていた能見をKOした。

 潜在能力もさることながら、練習量も圧倒的だ。寮には必ずバットを持ち帰る。試合後に室内練習場で打ち込むことも多い。だが若武者は言う。「野球が仕事だと思ってしまったら、僕はやめなければいけない時だと思っています。僕は野球が好きなので」。好きこそ最大のエネルギー。それが鈴木誠の何よりの武器だ。

 まだ凡ミスも多いが、使えば大仕事をする。以前、鈴木誠を「一日一善、何かをしてくれる」と表現した緒方監督も「野手が1点ずつ能見を打ち崩してくれた」と野手陣をまとめて評価した。3連勝で借金を再び4とし、上位進出をにらむ。対左の打率3割2分5厘を誇る鈴木誠が、なんとも頼もしい。【池本泰尚】