日本ハム田中賢介内野手(34)が、日本球界5年ぶりの満塁本塁打で勝利を呼び込んだ。1点リードの5回2死満塁、ソフトバンク中田から右翼スタンドへ運んだ。故郷福岡で、10年7月4日楽天戦以来、通算2本目の満塁アーチ。今季0勝6連敗だったヤフオクドームで、ついに勝利を収めた。

 3人の走者が出迎えるホームベースを、田中は笑顔で駆け抜けた。自身2度目の満塁弾。今季6戦全敗だったヤフオクドームで、初めて勝利の輪ができた。「あそこで点が入らなかったらひっくり返されると思ったので、集中していました。この3連戦、何とか3つ取って札幌に帰りたい」。生まれ故郷の福岡。家族も見守った敵地スタンドの前、マイクで言い放った。

 ベテランらしい開き直りだった。1点リードの5回2死満塁、カウント2-1からの4球目。内角への直球を豪快に振り抜いた。「状態がよくないので、打てる球を打とうと思った」。真っすぐ一本に絞っていた。右翼スタンドへ、打球は一直線に伸びた。

 グランドスラムは5年ぶり。稲葉、金子誠ら先輩に引っ張られていた当時とは、立場が変わった。スタメン野手で06、07年のリーグ連覇を知っているのは、田中だけ。栗山監督は「(この一戦の重要度を)賢介が一番分かっているよね。すばらしかった」と絶賛した。5年前にはなかった存在もある。千芳夫人と、今日29日に1歳になる息子。今3連戦中には、実家に一升餅を用意して盛大に祝う計画がある。「ずっと家で子育てしていたいくらい」と溺愛する長男へ、パパから1日早い、バースデープレゼントになった。

 ゲーム差は8・5あるが、直接対決を9試合残している。かすかな可能性に向かって、田中は言う。「まだまだ諦めてないので。みんなが意識してやっている」。敵地でようやくつかんだ白星を、奇跡を巻き起こす布石にする。【本間翼】

 ▼日本ハム田中が、日本球界で5年ぶり通算2本目の満塁本塁打を放った。レンジャーズ傘下のマイナー、3Aラウンドロック所属だった昨年は、6月にアルバカーキ戦で満塁アーチを記録。日本では10年7月4日楽天戦(Kスタ宮城)で川岸から放っている。チームは今季4本目。4月5日オリックス戦の中田、5月23日ソフトバンク戦の西川、7月3日楽天戦のレアード以来。