お立ち台で感謝の言葉が口をついた。ヤクルト石川雅規投手(35)は「気持ちいいです。本当に1人の力では出来ない。みんなに感謝をしています」。7回2死まで無失点に抑え、今季10勝目を手にした。現役では中日山本昌、西武西口を抜いて、単独最多となる通算11度目の2桁勝利。「結婚してからは、嫁さんが食事とか体調管理をしてくれた。自分を使い続けてくれた監督さんたちにも感謝したい」としみじみ話した。
熟練の投球で、DeNA打線をかわした。「両サイドにうまく散ってくれたことが良かった」と話すように、宝刀のスクリューで手玉に取った。2点リードの6回先頭で四球を与えたが、無死一塁から嶺井を外に逃げるスクリューで遊ゴロ併殺に仕留めた。
壁にぶち当たるたびに増えてきた球種。そこに新たに1つ加える構想がある。同僚のロマンに助言を求め、今季キャッチボールなどで試し始めたのがナックルだ。「投球の幅が広がれば山本昌さんみたいに50歳まで続けられるかも」と本気だ。
プロ14年目で優勝を経験していないからこそ、熱い思いを胸に秘める。「2位なら意味がない。CSに行けても、優勝は味わえない」。だからこそ、「残り試合は少ない。今年はチャンス。こんな経験はできない。毎日がわくわく、どきどき」と言う。高津投手コーチも「彼は体の強さと誰にも負けない強い精神力がある」と称賛した。167センチ左腕が悲願達成まで腕を振り続ける。【栗田尚樹】
▼石川が今季10勝目を挙げ、現役では最多となる11度目の2桁勝利。2桁勝利を11度以上記録したのは工藤(西武=13度)以来19人目で、ヤクルトでは国鉄時代に14度記録した金田に次いで2人目だ。石川は青学大から02年にヤクルト入り。2桁勝利の最多回数は米田(近鉄)の19度だが、大学出身の投手では村山(阪神)に並び最多となった。



