日本ハム・ルイス・メンドーサ投手(31)の巨体はベンチの端っこにあった。9回。1点差に迫られ、なお2死満塁のピンチ。「緊張して見ていられなかった」。ロッカー室とをつなぐ通路で身を縮ませていた。快音を残す、糸井の痛烈なライナー。角度的に、打球の行方は見えなかった。「ヒットだとあきらめかけた」。観念した。次の瞬間、スタンドの歓声が聞こえた。「ファンの反応でホッとした。目標だった。去年はできなかったし、うれしい」。球団では12年ウルフ以来、7人目となる外国人投手の2桁勝利到達だ。

 節目の白星を、持ち味全開に飾った。7回7安打4失点。細かくボールを動かし、わずかにバットの芯を外す。21個のアウトのうち、15個がゴロアウトで奪った。「状態は良かった。すべての球種を制球できた」。許した7安打のうち、5本もゴロで内野手の間を抜けたものだった。

 チームは土壇場で5連敗を喫した。トンネルの入り口は、8日のソフトバンク戦。5回途中7失点と炎上したのがメンドーサだった。「自分で始まった連敗。自分で止めたいと思った。ブルペンも休ませたかった」。挽回に燃えていた。

 残りシーズン、そしてCSへ向けて、メンドーサの復調はチームにとっても好材料。「2桁勝利できて安心はしたけど、切り替えて、残り試合を全部勝つつもりで投げたい」。長男マルセロ君を抱いて球場を後にしたイクメンパパの目は、すでに次戦に向いている。【本間翼】

 ▼日本ハム・メンドーサが来日2年目で初の2桁勝利をマークした。リーグの外国人投手では一番乗り。球団では12年ウルフ(現ソフトバンク)以来、3年ぶり7人目。東映時代の58年に16勝を挙げたハワイ出身の西田亨(52年巨人入団時は登録名・ビル西田)が最初で、95年に外国人投手としてリーグ初の最多勝を獲得したグロスは、3年連続で2桁勝利を挙げた。11年にはケッペル、ウルフの2人がそろって白星を2桁に乗せた。