ヤクルト山田哲人内野手(23)がセ・リーグ、ソフトバンク柳田悠岐外野手(27)がパ・リーグ最優秀選手(MVP)に選出された。25日、都内で行われた表彰式「NPB AWARDS 2015 supported by リポビタンD」でトリプルスリーコンビがそろって受賞。また2人そろって、来季推定年俸が2億円に到達することが分かった。

 23歳らしい、あどけない笑顔を壇上でみせた。山田が、セ・リーグMVPの表彰に呼ばれた。今季トリプルスリーを達成。会場からは文句なしの拍手が送られた。「いろんな人に支えられて、名誉ある賞をいただきました。光栄です。感謝の気持ちしかないです」と、控えめに喜んだ。

 球界を代表する男に、球団からは最上級の評価を与えられる。34盗塁で盗塁王となったスピードスターが、球団史上最年少で年俸2億円に到達することが決定的となった。球団関係者は「当然(2億円は)超えることになると思う」と話している。3年をめどに、複数年契約の提示も検討している見込みだ。

 来季はプロ6年目のシーズンを迎える。高卒6年目での2億円到達は、過去に6人だけ。野手ではイチロー、松井に次ぐ3人目となる。背番号も現在の「23」から「1」に変更することが決定的。池山、青木、若松らがつけた球団のスターの称号を手に入れる。

 最優秀選手賞、最多本塁打王、最高出塁率、盗塁王、ベストナイン、連盟特別賞の6つの称号を手にした「NPB AWARDS」。会見では「来季はトリプルフォー(打率4割、40本塁打、40盗塁)を達成できますか?」の質問を受け、「多分無理です。そんなに自信ないですから」と自然体の笑みをみせた。球界の猛者が集結した中、ひときわ輝きを放った山田。「来季も個人の成績だけでなく、日本一になれるように頑張ります」と力強く言い切った。球団からの高い評価と期待を受け、さらに大きくはばたく。【栗田尚樹】

 ▼23歳の山田がMVP。野手の最年少MVPは41年川上哲治(巨人)94年イチロー(オリックス)の21歳だが、内野手の23歳以下は前記川上の他に53年岡本伊三美(22=南海)56年中西太(23=西鉄)98年松井稼頭央(23=西武)に次いで5人目。川上は1リーグ時代で、セ・リーグの内野手では64年王貞治(24=巨人)を上回る最年少になる。

 ◆スピード2億円 山田は来季が6年目。高卒6年目までの2億円到達は

【4年目】

08年ダルビッシュ(日本ハム)

【5年目】

96年イチロー(オリックス)

11年田中将大(楽天)

【6年目】

98年松井秀喜(巨人)04年松坂大輔(西武)10年涌井秀章(西武)

 過去6人いるが、野手でイチロー、松井に次ぐ3人目となるか。