4年ぶりに阪神に復帰した藤川球児投手(35)が、「涙の約束」を果たすシーズンを迎えた。12年シーズン以来、タテジマを着る男が目指すのは、優勝の2文字だけだ。

 昨年11月24日の入団会見で感極まった。なぜ古巣復帰という選択に至ったのか? そんな質問が飛んだ時だ。「自分に声を掛けてくれる。例えば、球場に来て声を掛けてくれるファンの方がいる。そのほとんどがタイガースファンであり、また日本中で…」。そう言うと、うつむいたまま目頭を押さえた。

 思いは行動にあらわれた。会見翌日、藤川はさっそく鳴尾浜球場に向かった。若手に交じって黙々とトレーニング。その光景は年末に家族がいる米ロサンゼルスに戻るまで、ほぼ毎日続いた。球団から感じる「お前の力が必要だ」という熱意。そして熱狂的なタイガースファンの情熱。熱い思いが藤川を突き動かしていることは間違いない。

 会見では優勝パレードを目標に挙げた。「僕がタイガースに戻った一番は、パレードしたい。パレードして僕たちが喜ぶんじゃなく、関西のみなさんに喜んでほしい。これです。その時は僕じゃなくみなさんに泣いてほしい」。そう語った熱い男が、約束を果たすため、甲子園に帰ってくる。【桝井聡】