ソフトバンクのファーム新施設「ベースボールパーク筑後」に3億円の費用をかけたシミュレーションシステムが導入されたことが11日、わかった。

 クラブハウス内に小さな秘密の部屋がある。2メートル先の壁にはヤフオクドームのマウンドに立つ日本ハム大谷の姿が。打者は木製バットを持ち、3Dゴーグルをかける。

 すると、実際に大谷がマウンドから投げるように、球が立体的に近づいて来る。バットにセンサーがついていて、空振りやゴロ、ヒットなど打球を判断する。

 ゲームメーカーのセガとソフトバンクが3億円の費用をかけて開発した。訪れた工藤監督も先日挑戦し、「当たんね~っ! 当たるまでやっちゃったよ」と熱中した。

 体験した野手は「大谷がすごく速かった。ボールの下を振ってました」。実際にヤフオクドームで投げた投球映像を使用するので、相手の配球やすっぽ抜けた球などもリアルに体験できる。ほかにも楽天則本、松井裕、西武牧田、オリックス西といったエース級がそろっている。

 バットは中村晃、松田が使用する2本を用意している。実際、球を打たないので、打った感触はないが、1軍を経験していない若手が、トップクラスの選手の球筋を学ぶことは貴重な経験となる。

 13年末に筑後にファーム施設を移すことを発表した時に球団関係者が「マー君、杉内投手のスタイルのピッチングマシンなど、いろんなタイプがあれば科学的な練習ができるのではと。検討している」と孫オーナーの考えを明かしていた。3D、バーチャルという形でほかには例を見ない練習マシンが完成。常勝軍団継続に力を発揮しそうだ。