巨人亀井善行外野手(33)が、高橋由伸監督(40)に開幕2連勝をプレゼントした。2回には左邪飛でタッチアップした三塁走者を、遊撃手坂本との完璧な中継プレーで本塁補殺。打っては先制打を含む2本の適時二塁打と、攻守で勝利に貢献した。14安打10得点と、由伸巨人が勢いづいてきた。

 技ありの一打だった。2回無死一塁、亀井はヤクルト石川の外角低めの変化球に体勢を崩されかけた。だが、グッとこらえて引きつけて最短距離でバットを出し、逆方向に打ち返した。左中間フェンスを直撃する先制二塁打。「いいバットの出方をして、最後に伸びてくれました」と自画自賛した。

 逆方向への打撃が得意だった、青年監督の現役時代のようだった。亀井は中大時代「左打ちの外野手でプレースタイルが同じタイプ。すごい選手」と当時巨人で活躍する高橋監督にあこがれた。04年ドラフト4巡目で同じチームへの入団が決定。「次の番号がいいです」と高橋監督の背番号「24」に続く「25」を希望した。「追いつき追い越せじゃないけど、そういう気持ちでした」。自主トレに同行するなど必死に学んだ。

 近くにいたからこそ、分かったことがある。「打つ、守る、走る、はもちろん、準備からいつも全力だった。けがを恐れないプレーとか、70~80%じゃプロではやっていけないと」。由伸の教えを胸に、オープン戦でベンチスタートが続いても打ち込みは怠らなかった。「選手時代は監督に追いつくことはできなかった。選手と監督になったので、なんとか全力で…」と支えたい思いは強い。

 守備でも「師匠」のように見せ場をつくった。2回無死二、三塁。坂口の左邪飛でスタートを切った三塁走者畠山を、坂本との中継プレーで補殺した。「練習通り。勇人のおかげ」と謙遜したが、高橋監督は「あそこで1点を取られていたらどうなっていたか」と賛辞を惜しまなかった。

 5回には思い切り引っ張り、右翼線への適時二塁打を決めた。開幕は、昨年の現役時代の高橋監督と同じ「6番左翼」で迎えた。「昨日あんな感じ(4打数無安打)なのに先発で意気に感じた。何とか貢献したいと思っていた」。流して良し、引っ張って良し、守って良し。背番号は「25」→「35」→「9」と変わったが、当時の志のまま、新監督の力になる。【浜本卓也】