この男が決めればチームは乗る! 楽天は5番の銀次内野手(28)が、ソフトバンク戦で、守護神サファテを打ち砕いた。同点で迎えた9回1死二塁から、中前に決勝適時打を放ち、チームの連敗を2で止め4位死守に貢献した。先発のエース則本昂大投手(25)は8回を8安打2失点の粘投で、ハーラートップタイの9勝目を挙げた。

 ソフトバンクファンを黙らせた。9回1死二塁で銀次は、相手の守護神サファテと対峙(たいじ)した。カウント1-0からの2球目。真ん中付近の速球を素直に振り抜くと、決勝の打球が中堅柳田の前に落ちた。梨田監督がスタンドを見て「静かになっちゃうんだね。でもそれくらいやらないと」と、振り返った。

 銀次は覚悟を持って打席に向かった。「ここで打てなかったら、チームは落ちていく。ここで決めなきゃ」と自分を叱咤(しった)した。2点をリードして迎えた4回無死一塁で、最悪のバント失敗を犯している。打球は捕手前に転がり併殺で一気にチャンスをつぶした。「ノリ(則本)は調子が良くて、ビタビタ決まっていた。バントミスで完全に流れが止まってしまった」と自分を責めた。その気持ちを引きずったまま迎えた6回2死一、二塁の追加点機も一ゴロに倒れた。

 しかし、いつまでも落ち込んでいないのが銀次だ。最後の打席は「うまく気持ちを切り替えて打席に立てた。いいところで1本打てて良かった。ノリに勝ちがついたのが大きい。本当にデカいです」と喜んだ。梨田監督も「銀次らしく踏ん切りのいいところが出たね。よく決めてくれた」と評価した。

 侍ジャパンの常連も今年は苦しみ続けている。6月13日には不振のため2軍落ち。24日に昇格したが、最初の3試合は10打数1安打と結果が出なかった。28日のオリックス戦から当たりが出始め、試合前までの6試合は18打数7安打の3割8分9厘とエンジンがかかってきた。

 それでも楽観はしていない。あくまで慎重だ。チームに勝利を呼んだが、自分のバットは冷静に見詰める。「徐々にいきます」。焦らず完全復調を目指していく。