巨人が打の力で乱戦を制した。DeNA戦は序盤から点の取り合いとなり、2度も3点ビハインドを追う苦しい展開。だが5回に小林誠司捕手(27)の1号同点3ラン、7回2死満塁で代打相川亮二捕手(40)の走者一掃の適時二塁打で決着をつけた。リーグ最低得点の貧打にあえいできたが、打線が奮起し、10カードぶりの3連戦3連勝。前半戦ラストカードとなる12日からの首位広島との2連戦(マツダスタジアム)に弾みをつけた。
9回決着の試合では、チーム今季最長となる3時間57分の戦いが乱打戦ぶりを象徴していた。4回まで毎回失点。会心の内容ではない。だが今までと違う手応えを、高橋監督は会見の冒頭で口にした。「今年に入って初めては言い過ぎかもしれないけど、打線がカバーできた」。2度の3点ビハインドをはね返した。5失点以上での勝利は今季5度目で7失点は6月16日の楽天戦と並ぶ。打線の執念を表すデータが連なった。
大勢を動かしたのは2人の捕手だった。5回1死一、三塁。小林誠が低めのスライダーを拾い、左翼席に今季1号を届けた。「本塁打を打てる打者じゃない」と謙遜したが、指揮官は「最高の結果を出してくれた」と同点弾をたたえた。
7回2死満塁では代打相川が前めの相手外野網の頭上を越す走者一掃の適時二塁打で試合を決めた。ともに自主トレを張った小林誠が正捕手の今季は代打が戦場になる。「難しい。1打席で悔いを残さず積極的にいくのか、ボールをセレクトするのか」。現役終盤は代打だった高橋監督に極意を聞いた。「言えない話ですが、打席での立ち方や狙い球です」。最高の教材を生かした。今日11日に不惑の40歳を迎えた男は節目を前日に「恥ずかしいけど40歳でも元気に頑張ります」と声を張った。
リーグワースト得点の貧打線。活力が出てきた。この日も坂本、鈴木が盗塁を決め、7月に入り、8試合で8盗塁。6月までの74試合で23盗塁からギアチェンジした。3回には失敗したが小林誠がスクイズを仕掛けた。「出るべき人が出て、走るべき人が走って最後のチャンスで打った」。高橋監督が静から動の姿勢を示し始めている。
首位広島との差はまだ離れている。だが自力の勢いがなければ追いつけない。「多少、勢いがあるからこういう戦いができると思う。広島でもいい戦いができるように」。奇跡を起こす下地が少しずつ固まってきた。【広重竜太郎】
▼巨人が3点差を逆転して10-7で勝利。3点差以上の逆転勝ちは6月4日日本ハム戦(0-3→5-4)に次いで2度目だ。現在、巨人はリーグ最少の274得点。得点別の試合数を見ると、82試合のうち3点以下が53試合もあり、8点以上はリーグ最少の6試合しかない。ここまでは投手が抑えて勝つケースが多く、39勝のうち2失点以下で27勝。5失点以上で勝ったのは3月26日ヤクルト戦10-6、4月16日広島戦6-5、6月8日西武戦7-5、同16日楽天戦10-7に次いで5度目。交流戦を除き、セ・リーグ相手の5失点は5月1日ヤクルト戦から16連敗中だった。



